医療ＤＸが導く世界とはどのようなものだろう。診療情報がビッグデータとなり、ＡＩで解析することで、処方ログの解析や疾病リスクの事前予測などに役立てる。さらに革新的新薬のシーズ探索にＡＩが応用されることで開発コストや時間の短縮に結びつくだろう。政府は「医療ＤＸ推進本部」を立ち上げ、デジタル化社会における医療ＤＸの実現に一歩を踏み出した。全国医療情報プラットフォームの創設、電子カルテ情報の標準化、診療報酬ＤＸなどに政府は取り組む方針だ。コロナ禍を経てデジタル化の波がより一層高まるなかで、これからの医療・製薬ＤＸの方向性を探ってみた。（沼田佳之）本特集でも紹介しているが、政府方針の一つである電子カルテ情報の標準化は、いまに始まった課題ではない。もう何年も前から病院の電子カルテ情報を地域の医療機関が共...