ノボ ノルディスク マイクロソフトと提携 ビッグデータとAI活用して創薬・医薬品開発を加速
公開日時 2022/09/27 04:48
ノボ ノルディスクとマイクロソフトは、ビッグデータと人工知能(AI)を活用して創薬と医薬品開発を加速させるため、戦略的提携契約を締結した。ノボ ノルディスク日本法人が9月22日に発表した。提携を通じて、マイクロソフトはAIテクノロジーや基盤となるサイエンスモデルと専門知識を提供。ノボ ノルディスクのデータサイエンティストや早期研究・開発の専門家と協働し、新薬の研究開発を加速させる。
提携により得られるAIモデルは、今後さまざまなユースケースに応用する予定で、最初の2件は既に実行段階にあるという。1つ目のユースケースは、新たな科学的知見を得るため、文献や特許、科学報告書およびディスカッションフォーラムといったソースからの情報を自動要約し、分析することに着目する。2つ目のユースケースは、動脈壁内もしくは表面への脂質、コレステロール、その他物質の蓄積によって引き起こされるアテローム性動脈硬化症を発症する個人のリスクを予測するモデルを開発することを目的とする。AIは新たなターゲットを同定し、疾患のバイオマーカーを確立するためにも使用される。
両社は複数のタスクに対して一連の大規模モデルを適用する、AIへのプラットフォームアプローチを行う。これにより、複数年にわたる両社の提携期間において、新たなプロジェクトとユースケースを継続的に開始することが可能になるとしている。
◎「デジタルサイエンスとAI能力の拡大を目指している」
ノボ ノルディスクのデジタルサイエンス・イノベーション部門シニアバイスプレジデントのラース フォウ イーヴァスン氏は、「ノボ ノルディスクはデジタルサイエンスとAI能力の拡大を目指している」とした上で、「私たちはマイクロソフトとともに創薬にAIをより早く取り入れ、その利用を拡大し、最終的にはさらに画期的なイノベーションと効率化をもたらすことで、患者さんのニーズにより適切に応えていく」とコメント。
マイクロソフトのテクノロジー・リサーチ部門のAIアーキテクチャ・戦略担当コーポレートバイスプレジデントのヴィジェイ ミッタル氏は、「ノボ ノルディスクとの提携は、我々にとって最先端のAIを進化させるだけでなく、専門家の創造性を拡大するような形でAIを活用できるすばらしい機会だ」とし、「この目標を実現するためには、AIは、専門家が価値があると考え、かつ複数の分野間の緊密な相互検討が必要とされるあらゆる種類の情報から学習する必要がある」とコメントした。