帝人 丸石製薬から目黒研究所を譲渡 プロバイオティクス事業を拡大へ
公開日時 2022/08/09 04:49
帝人は8月8日、丸石製薬から目黒研究所(大阪市中央区)の発行済み全株式を譲り受ける契約を結んだと発表した。目黒研究所は、医薬品・健康食品原料、飼料添加物向けに乳酸菌および納豆菌を製造・販売している。帝人は、同研究所をプロバイオティクス事業における開発・製造拠点として位置づける方針。これまでプロバイオティクス事業については販売を手がけていたが、研究所の獲得により開発・製造拠点を有することで、メーカーとしての競争力を確保したい考え。「帝人発の新たな有用菌を開発すべく、さらなる事業拡大を図る」としている。
目黒研究所は、北里研究所やパスツール研究所で学んだ細菌学者・免疫学者である目黒庸三郎博士により「大阪実験治療研究所」として 1925 年に創立。医薬品・健康食品原料、飼料添加物に向けた乳酸菌および納豆菌の製造・販売、受託事業を行っている。これら細菌を独自製法によって培養する優れた技術を有し、それに基づく菌体の高い製造品質と安定供給に強みを持っている。1997 年に丸石製薬が経営権を譲り受け、人的、財務的側面から事業基盤の強化を支援してきた。今後は、丸石製薬が今年10 月までに保有する目黒研究所の発行済み全株式を帝人にすべて譲渡し、帝人は目黒研究所の事業並びに人員および設備を引き継ぐ予定。
帝人のヘルスケア事業では、腸内細菌のエサとなって腸内の環境を整える食品成分であるプレバイオティクスに着目。2016 年からスーパー大麦「バーリーマックス」、18 年からは水溶性食物繊維「イヌリア」を販売してきた。20 年にはプロバイオティクス事業に参入。クリスチャン・ハンセン社と販売代理店契約を締結して乳酸菌やビフィズス菌などの素材および製品を販売している。