欧CHMP サル痘適応追加でImvanexの審査開始
公開日時 2022/07/08 04:49
欧州医薬品庁(EMA)CHMP(ヒト医薬品委員会)は、サル痘に対するワクチンとして、デンマークBavarian Nordic A/S社の天然痘ワクチンImvanexの適応拡大について審査を開始した。サル痘は、アフリカ、欧州および北米大陸で感染拡大が続いている。CHMPは、Imvanexがサル痘ウイルスを標的とした抗体を産生したことや、非臨床データに基づき、今回の決定を行った。EMAが、6月28日発表した。
Imvanexは、天然痘ウイルスに近いワクシニアアンカラと呼ばれるワクシニアウイルスを有効成分とした改変生ワクチンで、EUでは2013年7月31日に天然痘の適応で承認されている。天然痘ウイルスとサル痘ウイルスは類似しているため、サル痘にも効果があると考えられている。
同ワクチンは米国ではJynneosの製品名でサル痘にも用いられており、EMAの緊急機動班(ETF)は欧州での供給が限定的であることから、各国保健当局に一時的措置として米国からJynneosの輸入をすることを推奨した。なお、米FDAは、臨床試験での抗体反応に基づき、サル痘予防の有効性について推論されると結論付けている。
今回の審査はETFの勧告に基づき開始されたが、EMAは当該企業からの正式な適応拡大申請を待つ一方、入手可能なデータの評価を開始する方針。