患者中心の医療 ゴールは「個別最適化医療の提供」
自治医科大学内科学講座循環器内科学部門 苅尾 七臣 教授
公開日時 2022/05/01 00:00
――患者の日々の健康状態や生活習慣改善の取り組みが治療用アプリを通じて可視化されると、医療や診療にどのような変化が生じると思いますか。苅尾教授回診時の患者からの訴え(主観情報)が同じであっても、データに変化が見られるときがある。対話ではすれ違う。医師は患者それぞれの時系列データを確認し、患者を頭の中に浸透させる。このプロセスが非常に重要だ。いかにしっかりした情報を得るかがポイントになる。外来診察時も、その日、その時の血圧値で診断するのではなく、患者の時系列データを確認・共有することには大きな意義がある。高血圧症治療用アプリ(4月中に薬事承認見込)では、患者の毎日の血圧データや生活習慣改善の取り組みがデータとして蓄積され、医師と共有できる。ただ、医師は日々データを確認するわけではない。多くのケ...