米FDA リリーの新型コロナ治療薬・ベブテロビマブにEUA オミクロン株に活性示す抗体医薬
公開日時 2022/02/16 04:48
米食品医薬品局(FDA)は2月11 日、米イーライリリーの新型コロナ治療薬ベブテロビマブ静脈注射剤(モノクローナル製剤)に緊急使用許可(EUA)を認めた。同剤は、入院や死亡など重症化リスクの高い。軽症から中等症の新型コロナ患者で、ほかの治療選択肢が受領できないか、臨床的に不適応な患者が対象となる。なお、同剤は新型コロナによる入院患者や酸素吸入を必要とする患者は適応に含まれていない。
EUAは、第2相無作為化臨床試験のデータに基づく。試験では、ベブテロビビマブ単剤に加え、他のモノクローナル抗体の新型コロナ治療薬との併用下での有効性を評価した。同剤は、新型コロナウイルスのスパイクタンパクに結合し、ウイルスの細胞への侵入を抑制することで有効性を発揮する。
FDAのPatrizia Cavazzoni医薬品評価研究センター(CDER)長は、「我々が一層の薬剤を必要とするなかで、オミクロン株にも活性を示す新規のモノクローナル抗体の使用を可能にするものだ」と述べた。変異株の出現が続くなかで、新たな治療選択肢が登場することを歓迎した。
米イーライリリーのDaniel Skovronsky最高科学および最高医学責任者(CSOおよびCMO)兼リリーリサーチラボラトリーズ所長は、「リリーの科学者はオミクロン株が同定される以前である2021年早期から、変異株と闘うために処方できる使われる広範な中和抗体としてベブテロビビマブを開発し始めていた。患者のニーズやこのパンデミックと闘い続ける医療供給者のニーズに応えることに役立つために新規の治療選択肢を提供できることを喜んでいる」とコメントした。