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薬食審・第二部会 12月2日に7製品審議 子宮体がんへのレンビマとキイトルーダ併用療法も

公開日時 2021/11/18 19:00
厚生労働省の薬食審医薬品第二部会が12月2日に開催される。審議予定品目は7製品。この中には、子宮体がんを対象疾患とする抗がん剤レンビマカプセル(一般名:レンバチニブメシル酸塩、エーザイ)と免疫療法薬キイトルーダ点滴静注(同ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、MSD)との併用療法の追加や、非小細胞肺がんを対象疾患とするファーストインクラスのKRAS G12C阻害薬ルマケラス錠(同ソトラシブ、アムジェン)が含まれる。

子宮体がんの薬物療法には現在、化学療法や黄体ホルモン療法がある。分子標的薬のレンビマとキイトルーダとの併用が承認された場合、子宮体がんに対して分子標的薬や免疫療法薬での治療アプローチが加わることになる。レンビマにとっては、初の併用療法であり、いよいよ免疫療法薬との併用が始まることになる。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

リフヌア錠45mg(ゲーファピキサントクエン酸塩、MSD):「慢性咳嗽」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

選択的P2X3受容体拮抗薬。P2X3受容体は気道の迷走神経のC線維上に発現しているアデノシン三リン酸(ATP)受容体で、ATPは気道の炎症条件下で気道粘膜細胞から放出される。細胞外ATPが気道のC線維上のP2X3受容体と結合することで、損傷の可能性を示すシグナルとして感知され、咳嗽が惹起されることがある。細胞外ATPとP2X3受容体の結合を阻害することで、C線維の活性化を抑え、咳嗽が抑制されると考えられている。承認後は、杏林製薬が独占販売する。

ビンゼレックス皮下注160mgシリンジ、同160mgオートインジェクター(ビメキズマブ(遺伝子組換え、ユーシービージャパン):「尋常性乾癬、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

炎症性サイトカインのIL-17AとIL-17Fを選択的に阻害するヒト化モノクローナルIgG1抗体。IL-17FはIL-17Aとは独立して炎症を促進する。同剤はIL-17AのみならずIL-17Fも選択的に阻害することが特長で、IL-17Aのみの阻害よりさらに大きな炎症抑制が期待されている。

リツキサン点滴静注100mg、同500mg(リツキシマブ(遺伝子組換え)、全薬工業):「尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

抗CD20モノクローナル抗体製剤。天疱瘡は国の指定難病で、皮膚・粘膜に病変が見られる自己免疫性水疱性疾患。治療法はステロイド剤内服を中心とした免疫全般を抑制する治療法が中心だが、ステロイド治療に抵抗性を示し、従来の治療法では症状が治まらない症例が存在する。

オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「原発不明がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

原発不明がんは、十分な検索にも関わらず原発巣が不明で、組織学的に転移巣と判明している悪性腫瘍と定義される。診断時に既に進行・転移している病態で、複数臓器に転移が認められる患者が全体の半数以上を占める。生存期間の中央値は6~9カ月、5年生存率は2~6%と極めて予後が悪い。

原発不明がんの80%が予後不良群。この予後不良群に対する治療は薬物療法が主体となるが、原発不明がんに対して国内外で承認された薬剤はなく、標準治療がいまだ確立されていないため、薬剤の開発が切望されている。

キイトルーダ点滴静注100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、MSD)
レンビマカプセル4mg、同10mg(レンバチニブメシル酸塩、エーザイ)
:いずれも「子宮体がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

キイトルーダは抗PD-1抗体(免疫療法薬)。レンビマはマルチキナーゼ阻害薬(分子標的薬)。子宮体がんに対して両剤の併用療法で用いる。

子宮体がんの日本の罹患者数は、2020年に1万7000人以上が新たに罹患し、3000人以上が亡くなったと推定されている。子宮内膜がんは、子宮体がんにおけるもっとも発生頻度の高いがんで、9割以上を占める。生存率は診断時のステージによって大きく変わるが、転移性子宮内膜がんの5年生存率は17%と予後が悪い。

子宮体がんの薬物療法には現在、化学療法や黄体ホルモン療法がある。今回の併用療法が承認された場合、子宮体がんに対して分子標的薬や免疫療法薬での治療アプローチが加わることになる。

ルマケラス錠120mg(ソトラシブ、アムジェン):「非小細胞肺がん」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

KRAS G12C阻害薬。非小細胞肺がん(NSCLC)で認められるドライバー変異のひとつにKRAS G12C変異がある。これまでにKRAS G12C変異を有するNSCLCに対する治療薬は承認されておらず、既存の二次治療における転帰も不良なため、高いアンメット・メディカル・ニーズとなっている。なお、同剤は米国や中国でブレークスルーセラピーの指定を受けている。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

ベバシズマブBS点滴静注100mg「日医工」、同400mg(ベバシズマブ(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続3]、日医工):「結腸・直腸がん、非小細胞肺がん」を対象疾患とするバイオ後続品。

3番目のアバスチンのバイオ後続品となる。

ベージニオ錠50mg、同100mg、同150mg(アベマシクリブ、日本イーライリリー):「乳がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

CDK4/6阻害薬。今回、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の再発高リスクの乳がんの術後薬物療法を追加する。
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