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帝人・21年度上期 ヘルスケアの売上、利益とも過去最高 フェブリクや承継した糖尿病薬など業績牽引

公開日時 2021/11/09 04:50
帝人は11月8日、2022年3月期(21年度)第2四半期決算を発表した。医療用医薬品などで構成するヘルスケア事業の21年度上期の売上は907億円(前年同期比24.2%増)、営業利益は240億円(45.5%増)で、同事業の上期業績として過去最高を記録した。主力の高尿酸血症治療薬フェブリクや在宅酸素などの在宅医療機器の販売が伸びたほか、武田薬品から承継したDPP-4阻害薬ネシーナなど糖尿病薬4製品が21年4月から売上計上され、大幅な増収増益となった。

帝人は21年4月の薬価改定で2%台後半の影響を受けた。EBITDA(税引前利益に特別損益、支払利息、減価償却費を加算した値)で5億円の改定影響となる。ただ、主力製品が堅調に売り上げを伸ばすなどして改定影響を吸収した。

◎フェブリク9.7%増収 糖尿病薬4製品の売上合計は145億円

フェブリクの21年度上期売上は193億円(9.7%増)だった。新薬創出等加算が適用されて薬価は据え置かれ、販売数量が伸びた。同社によると、痛風・高尿酸血症治療薬市場の拡大が継続しているという。武田薬品から承継したネシーナ、イニシンク、リオベル、ザファテックの糖尿病薬4製品の売上合計は145億円だった。

◎新型コロナに伴う入院抑制で在宅療法へのシフト継続 在宅酸素療法のレンタルなど伸長

ヘルスケア事業に含まれる在宅医療事業も好調だった。新型コロナの再拡大による入院抑制で在宅療法へのシフトが継続し、在宅酸素療法(HOT)のレンタル台数が伸びた。睡眠時無呼吸症候群に対する在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)市場も引き続き拡大中で、検査数も「緩やかな回復基調」にあるとしている。

◎通期予想 営業利益を20億円上方修正

同社は、医薬、在宅医療とも好調な上期のトレンドが下期も続くと分析。ヘルスケア事業の通期業績見通しは、売上は期初予想の1800億円(21.1%増)を据え置いたものの、営業利益は期初予想から20億円増の420億円(33.3%増)に上方修正した。

◎帝人・J-TEC協働による再生医療事業 30年度に売上200億円超へ

帝人はこの日、3月に帝人グループ入りしたジャパンティッシュエンジニアリング(J-TEC)との協働による再生医療事業の事業計画も明らかにした。

帝人グループの再生医療事業は、▽再生医療等製品CDMO(製造開発受託)▽J-TEC再生医療製品(海外展開、整形領域拡大、関連新事業創出)――の2事業に取り組む。CDMOのターゲット領域は、日本市場における▽ex vivo遺伝子治療▽細胞/組織移植――とする。

帝人によると、日本のex vivo遺伝子治療+細胞/組織移植の市場規模は、20年の260億円が30年に5500億円に拡大し、30年の市場の大半は自家細胞製品になるという。市場成長が期待できるほか、自家細胞製品は患者の所在地での地産地消が望ましく、高度な細胞培養技術などが必要との特徴があり、帝人とJ-TECが持つノウハウが生かせると判断した。

J-TECの20年度売上は約20億円だったが、30年度には帝人グループの再生医療事業(帝人・J-TEC連結売上)として200億円超の売上げを目指す。

帝人 ヘルスケアセグメント
【21年度第2四半期業績(前年同期比) 通期予想(前年同期比)】
売上高 907億円(24.2%増) 1800億円(21.1%増)
営業利益 240億円(45.5%増) 420億円(33.3%増)←修正前400億円

【21年度第2四半期国内主要製品売上(前年同期実績)、億円】
フェブリク 193(176)
ネシーナ 69(-)
イニシンク 41(-)
ボナロン 40(42)
ソマチュリン 27(26)
ベニロン 24(26)
リオベル 22(-)
ザファテック 13(-)
ムコソルバン 10(11)
ロコア 10(11)
ワンアルファ 5(6)
ゼオマイン 2.5(-)
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