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薬食審・第二部会 8製品を承認へ オプジーボの胃がん1次治療など

公開日時 2021/11/05 04:52
厚生労働省の薬食審医薬品第二部会は11月4日、抗がん剤ハーセプチンの「HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺がん」の効能追加など2製品の承認を了承した。PMDAの審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せずに報告のみで良いと判断された報告品目は6製品。抗PD-1抗体オプジーボに胃がんの1次治療と食道がんの術後補助療法を追加することや、抗PD-1抗体キイトルーダに食道がんの1次治療を追加することが含まれる。このほか、第二部会では新型コロナに対する抗体カクテル療法ロナプリーブの「発症抑制」の効能追加および「皮下注射」の用法・用量追加の特例承認している(記事はこちら

8製品は全て新効能や新用量の追加で、いずれも11月中に正式承認される見通し。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ハーセプチン注射用60、同注射用150(トラスツズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は10年。希少疾病用医薬品。

国内のHER2陽性の唾液腺がんの患者数は約460人と推測されている。21年7月時点において、唾液腺がんに係る効能・効果で承認されている国または地域はない。

ハイヤスタ錠10mg(ツシジノスタット、Huya Japan):「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は10年。希少疾病用医薬品。

HDAC阻害作用を有する低分子化合物。21年6月に「再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」の効能で承認を取得し、10月に発売されており、それに続く効能追加となる。21年7月時点において、中国でのみ承認されている。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

ロイコボリン錠5mg(ホリナートカルシウム、ファイザー):「葉酸代謝拮抗剤の毒性軽減」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間なし。

対象疾患は再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)患者であり、今回、プララトレキサート(PDX)投与時の場合の用法・用量を追加した。21年7月時点において、再発又は難治性のPTCL患者に対するPDX投与時の毒性軽減に係る用法・用量で、同剤が承認されている国又は地域はない。

キイトルーダ点滴静注100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、MSD):「根治切除不能な進行・再発の食道がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2022年10月18日まで)。

従来の食道がんに関する効能・効果は「がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん」だったが、今回、「根治切除不能な進行・再発の食道がん」となる。化学療法(フルオロウラシル及びシスプラチン)との併用で、1次治療で、食道がん(扁平上皮がん、腺がん)に使用できるようにする。PD-L1陽性の縛りは外れる。

なお、がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がんに対しては、単独投与することもできる。

オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg、同点滴静注120mg、同点滴静注240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):(1)「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品、(2)「食道がんにおける術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。

既に胃がん3次治療(単剤療法)で承認されているが、化学療法との併用で、1次治療で使用できるようにする。

食道がんに対して単剤療法での2次治療が承認されているが、今回、食道がん術後補助療法の効能追加を追加する。なお、競合品キイトルーダはこの日、食道がんに対する化学療法との併用での1次治療の効能追加が報告された。

ローブレナ錠25mg、同錠100mg(ロルラチニブ、ファイザー):「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余(2026年9月20日まで)

これまでの「ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」から、「ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容の」の部分を削除。1次治療で使用できるようにする。

サークリサ点滴静注100mg、同点滴静注500mg(イサツキシマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間は残余(2028年6月30日)。

これまで「ポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用」のみだったが、(1)カルフィルゾミブ及びデキサメタゾンとの3剤併用、(2)デキサメタゾンとの2剤併用、(3)単剤療法―の3つの用法を追加する。

5-FU注250mg、同注1000mg(フルオロウラシル、協和キリン):「食道がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。公知申請。

この日の部会に報告されたキイトルーダの食道がん1次治療と併用するため効能追加する。
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