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中外製薬 がんウイルス療法・OBP-301の独占契約解消 オンコリスに全権利返還へ

公開日時 2021/10/20 04:50
中外製薬は10月19日、オンコリスバイオファーマから導入したがんウイルス療法・OBP-301(開発コード、一般名:テロメライシン)について、契約を解消することで合意したと発表した。中外が保有するOBP-301に関する全ての権利をオンコリスに返還する。正式解約日は最長2022年10月までとし、今後、両社間で協議して決める。

契約解消の理由は、「今後、両社の協業によって開発を進めることが本剤の製品価値最大化につながらないという判断に至った」ため。この判断は「OBP-301の有効性・安全性の問題によるものではない」としている。

7月26日時点で、日本で、食道がんを対象疾患に臨床第2相試験を、肝細胞がんを対象疾患にテセントリク、アバスチンとの3剤併用療法で臨床第1相試験を実施している。これらの進行中の国内試験について、「当面は当社が継続して実施し、その後、両社合意の上でオンコリスに引き継ぐ予定」としている。

中外は19年4月にOBP-301に関する独占的ライセンス契約を締結した。中外は同契約により、日本と台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンスと、日本、台湾、中国、香港、マカオを除く全世界における開発・製造・販売に関する独占的オプション権を獲得した。今回、この独占的ライセンス契約を解消する。

OBP-301は、がん細胞で特異的に増殖し、がん細胞を破壊することができるように遺伝子改変した5型のアデノウイルス(腫瘍溶解性5型アデノウイルス)。ウイルス療法によって破壊されたがん細胞は、その特異的な抗原のシグナルを樹状細胞等の免疫細胞に直接伝えることにより、がん免疫を誘導できることが示唆されており、免疫チェックポイント阻害薬との併用による全身的な抗がん作用も期待されている。
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