バイエル薬品 NTRK融合遺伝子陽性固形がん治療薬ヴァイトラックビを発売
公開日時 2021/07/08 04:50
バイエル薬品は７月７日、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体（NTRK）融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん治療薬ヴァイトラックビカプセル25mg、同100mg（一般名：ラロトレクチニブ硫酸塩）を発売した。カプセル剤と同日に承認され、薬価収載された内用液20mg/mLは発売に向けて準備を進める。薬価は、25mg１カプセルが4042.50円、100mg１カプセルが１万4542.90円（１日薬価：２万9085.80円）。
同剤は、NTRK遺伝子融合と呼ばれる稀なゲノム変化を有する局所進行性または転移性の成人及び小児の固形がん治療に特化して開発された経口トロポミオシン受容体キナーゼ（TRK）阻害薬。TRK融合タンパク質は、体内の発生部位にかかわらず、がん患者のがんの広がりや増殖を促進する発がん性ドライバーとして作用する。
同剤は、中外製薬の遺伝子変異解析プログラム・FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルで、同剤の有効性が期待されるTRK融合がんかどうかを調べた上で使用する。
バイエルは、「がんの種類や患者さんの年齢にかかわらず、NTRK遺伝子融合を有するすべてのがん患者さんに革新的な個別化治療を提供するような、がん領域におけるアンメット・メディカル・ニーズに応える努力を今後も続けていく」としている。