日本CSO協会 稼働コントラクトMR数は前年比4.4%減の3292人 アウトソーシング率は5.8%
公開日時 2021/07/02 04:51
日本CSO協会は6月30日、「わが国のCSO事業に関する実態調査-2020年度」を発表した。20年10月時点の稼働コントラクトMR数は前年比4.4%減の3292人。全MRに占める比率(アウトソーシング率)は5.8%で推移していた。CSOを活用する企業数は126社だった。製薬各社がMR数を削減する動きを強めている中で、「CSO の活用も調整局面にある」と分析しながらも、「今年度はコロナ禍による受診抑制等も影響した」と指摘している。
調査は、日本CSO協会加盟5社を対象に、CSO事業の動向、CSO企業およびコントラクトMRの状況を調べた。稼働コントラクトMR数は、前年の3445人より153人減り、3292人となった。CSOを活用する企業数は、過去最多となった直近2年からは4社減の126社となった。製薬企業にとどまらず、医療機器や医療機関(病医院や薬局等)など、広くヘルスケア関連企業に裾野が拡大しているという。なお、活用企業を規模別にみると、MR数が1500人以上の企業で前年から2社減となったが、1000~1500人未満の企業では1社増となった。一方、MR数が500~1000人未満の企業は23社。MR数500人未満の企業が80社台を維持している。
◎活用目的 「欠員補充」が71.8%、「主力品強化」が66.5%
CSO活用目的は、「欠員補充」が71.8%、「主力品強化」が66.5%(いずれも複数回答)となった。次いで「新薬上市」(18.0%)、「エリア強化・未開拓先」(16.5%)、さらに「産休対応」(12.3%)、「社員化」(9.3%)などダイバーシティや人事戦略に伴う活用がある。一方で、「後発品普及」(8.8%)、「長期収載品強化」(7.0%)、「調剤薬局強化」(1.6%)などエスタブリッシュ品やジェネリック品に関する活用が見られた。
MR業務以外では、エリアごとの戦略展開や顧客MRのスキル強化を担う「フィールドプランナー/トレーナー」や、「エデュケーショナル・ナース」、「MSL」など、多様な担い手による新たなサービスが活用されるようになっている。
◎がん領域 MSLやエデュケーショナル・ナースに拡がり 活用比率22.3%
領域別に見た活用コントラクトMR数をみると、トップ3は「循環器・脂質異常症」、「中枢神経系」、「糖尿病」で昨年同様の結果となった。「がん」領域では、MRのほか、MSLやエデュケーショナル・ナース、PMS専任モニターサービスなど、さまざまな側面からCSOが活用され、活用比率は昨年の20.3%から22.3%に増加、年平均成長率も20.0%と高い伸びを示した。このほか「ワクチン」は、全体に占める割合は3%程度であるが、年平均成長率は最も高くなっている。