第一生命HD DX活用でヘルスケア領域の社会課題解決へ DeNAと業務提携契約締結
公開日時 2021/06/29 04:47
第一生命ホールディングスとディー・エヌ・エー(DeNA)は6月24日、業務提携契約を締結したと発表した。両者の強みとノウハウを掛け合わせることで、DXを活用してヘルスケア関連のサービスを共同展開する。第一弾の取り組みは、女性向けの情報ウェブサイトと、ダイエットサポートアプリの提供で、今秋にも開始する。第一生命は、手薄となっていた20、30代の女性との接点確保の手掛かりにして、新規顧客の獲得につなげたい考え。そのうえで両サービスの提供を足掛かりに、将来的には病気を含め、利用者の不安に向き合った商品やサービスの開発を行っていく方針。同HDの稲垣精二社長はオンラインで開かれた記者会見で、「健康増進保険のような商品ができないかと考えている」と展望を語った。
◎若手世代との接点強化で保険を「非日常」から「日常」へ
第一生命HDは提携により、保険金を支払うような「非日常」のみだった契約者との接点を増やすと同時に、DeNAのサービスを利用する若年層にアピールしたい考え。同HDの稲垣精二社長はオンラインで開かれた記者会見で「保険会社は、万が一の際に現れるパートナーだったが、人生100年時代になって、日常にどう寄り添えるのかが重要になっている。DeNAが今まで築いてきた一人ひとりの客とのコミュニケーションは、我々の経験よりも先行しているものだ」と提携の意義を強調した。
また同社の国内営業企画ユニットの田中健太郎部長は、「(従来の)リアルチャネル中心ではすべての人々に手が届かない。DeNAのノウハウやコミュニティによって、今後生産年齢人口の過半数をこえるミレニアル世代やZ世代を含め、より幅広い層とつながることができる」と語った。
◎DeNA・岡村CEO「楽しみながらいつのまにかサービスに引き込む」
一方、DeNAは、第一生命保険が抱える約4万の営業職員の発信力に期待を寄せている。同社の岡村信悟代表取締役社長兼CEOは、「私たちが得意な分野は、楽しみながらいつのまにかサービスに引き込んでいく部分だと思う。ユーザーの声に応じ、スピードを重視してサービスを変化させていくことができることも強みだ。歴史があり、リアルで人々を支えている第一生命と提携することで、一人ひとりに応じて多様な、新しい時代にマッチしたサービスが提供できるのではないか」と述べた。
両社によると、共同展開する「ハレトケ」は、働く女性をターゲットに、プライベートも仕事も豊かになるような特典や情報を提供するウェブサイト。インテリアやスイーツなど女性の関心の高い分野をテーマに、特集記事や特典などの情報を配信する。また「カラダモ」は、生活習慣を整え、健康的になることを目的にしたアプリで、ゲームのように楽しみながら、ダイエットをサポートする。利用はいずれも無料で、両サービスで300万人のユーザー獲得を目指す。このほか、子宮頸がん検診の受診率向上を目指す「Blue Star Project」についての協働や、商品・サービスの開発、マーケティングなどにおけるノウハウ・人財交流も行っていく予定。
【訂正】下線部のサービス名の記載に誤りがありました。訂正しました。(6月29日11時40分)