多面的価値が製薬産業の未来のカギを握る
医療コストをめぐる新しい切り口を提案
公開日時 2021/07/01 00:00
米食品医薬品局(FDA)は6月7日(現地時間)、アルツハイマー病治療薬としてアデュカヌマブ(米国製品名:Aduhelm)を迅速承認した。このニュースは瞬く間に世界に拡がり、発表から数時間後には日米株式市場に大きなインパクトをもたらした。同剤は軽度認知障害(MCI)および軽度認知症を対象とする薬剤だ。エーザイの内藤晴夫代表執行役CEOは6月9日に記者説明会に臨んだ。印象的だったのは、内藤CEOの「プライシングとアクセスの2つのポリシーを同時に実現することが重要。これこそが現在、製薬企業最大の使命といっても過言ではない」という発言だ。薬剤のもたらす「多面的な価値」と表現したこの言葉こそが製薬産業の未来のカギを握っていると感じた。(沼田佳之)革新的新薬の創出は新たな時代を迎える。モダリティーの多様...