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経済財政諮問会議 骨太方針2021の原案とりまとめ これまでの歳出改革努力を22年度以降も継続

公開日時 2021/06/10 04:50
政府の経済財政諮問会議(議長・菅義偉首相)は6月9日、「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針2021)の原案について議論した。財政健全化目標については2025年度の国・地方あわせたプライマリバランスの黒字化を目指す方針を堅持し、22年度から3年間は歳出改革努力を継続するとした。これにより社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化の増加分に相当する伸びに収めたい考えだ。この間、22年度と24年度には薬価・診療報酬改定が控えているが、今回の骨太方針では、目標達成に向け、かかりつけ医機能の強化や更なる包括払いの検討、オンライン診療の実施要件と周辺環境の整備、後発品使用促進の新目標などを盛り込んでいる。

菅首相はこの日の諮問会議で、「経済あっての財政の考え方で、プライマリバランス黒字化などの財政健全化の目標を達成し、これまでの歳出改革努力を続けたい」と強調した。

社会保障改革については、新型コロナの感染拡大による経験を踏まえ、地域での連携体制の強化を求めている。具体的には地域医療連携推進法人制度の活用や医療需要に沿った病床機能の分化・連携、地域医療構想の推進などを盛り込む方針だ。一方、かかりつけ医機能の強化・普及等による医療機関の機能分化・連携の推進、更なる「包括払いのあり方」の検討も含めた医療提供体制の改革につながる診療報酬の見直しも求める。菅政権が恒久化を打ち出した「オンライン診療」の活用については、「初診からの実施は原則かかりつけ医によるとしつつ、事前に患者の状態が把握できる場合にも認める方向で具体案を検討する」とした。

◎長期収載品等の評価の適正化 後発品の新目標の検証、品質・安定供給の信頼性確保など

一方、医薬品関係では、革新的な医薬品におけるイノベーションの評価の観点およびそれ以外の長期収載品等の医薬品について評価の適正化を行う観点から薬価算定基準の見直しを図る。さらに、OTC類似医薬品等の既収載品の保険給付範囲については引き続き見直すとした。焦点となっていた後発品については、「2023年度末までに後発医薬品の数量シェアを、全ての都道府県で80%以上」を明記している。さらに新目標の検証、品質および安定供給 の信頼性確保、保険者の適正化の取り組みにも資する医療機関等の別の使用割合を含む実施状況の見える化を早期に実施する。バイオシミラーの目標設定の検討、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直しの検討、フォーミュラリの活用などで更なる使用促進を図る。

このほかサプライチェーンの実態把握や非常時における買い上げの導入など緊急時の医薬品等の 供給体制の確立を図る。緊急時の薬事承認の在り方について検討する。
 
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