陽進堂、帝人ファーマ インド国内の新型コロナ感染拡大で原薬調達できず「エタネルセプトBS」出荷停止
公開日時 2021/05/28 12:35
陽進堂と帝人ファーマは5月28日、エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「TY」など4製品について、一時出荷を停止すると医療関係者および特約店に情報提供を開始した。同剤の原産国であるインド国内の深刻な新型コロナウイルス感染拡大で、原薬生産企業であるLupin Limited(ルピン)からの原薬供給が不十分になったため。製造販売権を持つ陽進堂は引き続きルピン社との協議を進め、早期の出荷再開を目指す方針だ。
一時出荷停止となる製品は、①エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「TY」、②エタネルセプトBS皮下注25mgシリンジ0.5mL「TY」、③エタネルセプトBS皮下注50mgシリンジ1.0mL「TY」、④エタネルセプトBS皮下注50mgペン1.0mL「TY」-の4製品。製造販売承認を陽進堂が、販売を帝人ファーマが行っている。
エタネルセプトBSの原薬はインドのルピン社が現地製造し、陽進堂が100%子会社のエイワイファーマに製造委託している。しかし、インド国内で新型コロナウイルス感染症が感染拡大していることに加え、原薬製造に必要なフィルターや培養バッグなどの部材を供給するメーカーが、新型コロナワクチンの製造に必要な部材の供給を優先させるなど、結果的にエタネルセプトBSの原薬製造に必要な部材が入荷できない状況が続いている。
◎両社の在庫も8月頃まで
陽進堂はこれまでルピン社と協議を行ってきたが、日本国内の需要に応える原薬を確保できないと判断。陽進堂、帝人ファーマの両社が所有する在庫が今年8月頃までということで、特約店への出荷調整の後、一時出荷を停止せざるを得ない見込みになったとしている。
陽進堂と帝人ファーマは医療関係者向けの文書を公開し、「製薬企業として重要な使命であります医薬品の安定供給を確保できず、医療関係者の皆様、患者様に多大なるご迷惑をお掛けいたしますこと、深くお詫び申し上げます。引き続き、原薬生産企業と鋭意協議を行い、早期に出荷再開となりますよう取り組んでまいりますので、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます」とコメントした。