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武田薬品 PwCの「Bodylogical」でクローン病の治療成果をシミュレーション 専門医との議論に活用

公開日時 2021/05/19 04:50
武田薬品は5月18日、PwCコンサルティング合同会社が開発した人体モデリング・シミュレーション技術の「Bodylogical」を活用し、クローン病のシミュレーションツールを用いた活動を開始すると発表した。Bodylogicalとは、PwCが開発したシステムモデリングアプローチを応用した生理学シミュレーターの総称。医療ビッグデータとサイエンスを介し、循環器系、呼吸器系、消化器系、内分泌系、腎臓系などの体内生理機能を、個々人の特性に合わせて再現できる。武田薬品のMSLが消化器疾患専門医と科学的議論を行う際に限定的に使用する。

Bodylogicalは、人体のさまざまな生理機能を数字で表現し、サイバー空間上に臨床症状や投薬情報を用いてデジタルツインを作成し、個々の患者に応じたさまざまな治療シナリオをシミュレーションできる。同技術を活用したシミュレーションツールはタブレット端末上にアプリ(MSLアプリ)として存在。異なる疾患歴や疾患状態を持つ仮想の患者集団の中からひとりの仮想患者を選択し、様々な治療成果をシミュレーションすることができる。これによりクローン病を診る消化器疾患専門医と武田薬品のMSLとの間でペイシェント・ジャーニーへの理解をお互いが深めることができる。なお、今回のMSLの活動は、武田薬品のペイシェント・ファースト・プログラムの取り組みの一環という位置づけ。

武田薬品とPwCは、MSL アプリで用いられているモデルを、学術論文などのデータや武田薬品が有する臨床試験データを用いて較正し、患者データによって精度を検証する。その上でモデルの開発および検証に関する学術論文の掲載に向けて準備を進めたい考えだ。

Bodylogicalの検証に携わった北里大学北里研究所病院の小林拓特任准教授は、「治療の選択肢が拡がったことにより、臨床現場では、目の前の患者にとってベストの治療を如何に選ぶかということが、大きな課題となっている。今回の取り組みは、この課題を解決し、選択肢の増加や治療の進歩を患者に本当の意味で還元するための、重要な一歩となる」と述べた。
 
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