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米政府 新型コロナワクチンへの助成金 192億ドル以上に

公開日時 2021/04/23 04:48
米政府が、BARDA(生物医学先進研究開発局)を通して、新型コロナウイルス感染症ワクチンおよび治療薬の研究・開発・製造および購入などに助成(拠出)した金額が192億8300万ドル(2021年3月2日時点)に上ることが分かった。米議会予算局(CBO)が、4月8日、公表した、医薬品業界のR&D(研究開発)の推移や経費などの実態をまとめた報告書「医薬品産業の研究開発」(Research and Development in the Pharmaceutical Industry)で明らかになった。

報告書は、医薬品業界の研究開発の現況と政府の業界支援実態を説明するなかで、新型コロナのパンデミックについて触れ、新型コロナワクチン、治療薬開発への政府の関与に言及した。

米政府は2020年5月にHHS(福祉保健省)がワクチン開発加速化を目的とした「Operation Warp Speed」を開始した。米CDC(疾病管理予防センター)、FDA(食品医薬品局)、国立衛生研究所(NIH)およびDOD(国防省)が協力し、BARDAを通じ、製薬企業などを支援した。新型コロナワクチンや治療薬の開発について、製薬7社に190億ドルを拠出した。

政府の新型コロナワクチンへの助成金としては、研究開発への支援を行うほか、ワクチン開発が一定のゴールに到達した際の購入を事前に決める方法がある。

以下は、政府支援対象の企業・団体、助成対象(拠出)額、助成対象、ワクチンの種類。(3月2日時点)

▽ファイザーおよびビオンテク、59億7300万ドル、製造・購入、mRNA
▽モデルナおよびNIAID(国立アレルギー感染症研究所)、58億9600万ドル、研究・臨床試験・製造・購入、mRNA
▽サノフィパスツールおよびグラクソスミスクライン、20億7300万ドル、研究・臨床試験・製造・購入、スパイクタンパク
▽ジョンソン・エンド・ジョンソン、19億9800万ドル、研究・臨床試験・製造・購入、ウイルスベクター
▽ノババックス、16億ドル、製造・購入、タンパクサブユニット
▽アストラゼネカおよびオックスフォード大学、16億ドル、研究・臨床試験・製造・購入、ウイルスベクター
▽メルクおよびIAVI(国際エイズワクチン推進構想)、1億4300万ドル、研究・臨床試験・製造、ウイルスベクター

BARDAは、HHS傘下の部局で、米国で公衆衛生上の危機の際に、ワクチン、医薬品、治療法の開発、購入などの支援を行う。製薬企業、研究機関などへの資金提供の橋渡しを行う。

なお、CBOの報告書は、上院財務委員会議長の要請でまとめられるもので、対象について客観的・公平な分析を行い、勧告などは行わない。
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