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日本新薬 次期社長に中井取締役が内定 DMD薬ビルテプソの海外展開推進

公開日時 2021/03/17 04:50

日本新薬は3月16日、同日開催の取締役会で、中井亨・取締役国際事業担当兼国際事業本部長が次期代表取締役社長に内定したと発表した。2007年6月から約14年間社長を務めた前川重信氏は代表権のある会長に就く予定。6月下旬に開催予定の定時株主総会とその後の取締役会で正式に決定する。中井氏をトップに、同社と国立精神・神経医療研究センターが共同で見出したデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療薬ビルテプソ(一般名:ビルトラルセン)の海外展開を推進する。

中井氏は49歳と若く、海外事業に明るい。今回のトップ人事には、経営体制の若返りとともに、グローバル展開を推進するねらいがある。同社はこの日、6月下旬に実施する予定の機構改革も発表し、国際事業担当及び国際事業本部を廃止して、現在この傘下にある▽国際事業部▽北京事務所▽ライセンス統括部――を社長直轄にするとした。「グローバル展開についての意思決定の迅速化を図るため」としている。

ビルテプソはモルフォリノ化合物で合成されたアンチセンス核酸と呼ばれる核酸医薬品。DMD 患者の筋肉中のジストロフィン遺伝子のエクソン53を迂回して、機能のあるジストロフィンタンパク質を産生することによって、疾患の進行抑制と病態改善を期待する薬剤だ。日米で2020年に発売した。米国で第1号の自販製品でもある。

同社は23年度を最終年度とする現中期経営計画で、グローバル展開の加速を掲げている。ビルテプソの米国事業を軌道にのせ、同剤を欧州、中国などでどのように展開するかが重要な課題のひとつになっている。中井氏の経験とリーダーシップで、スピード感をもって同剤のグローバル展開などを成功させる。

【中井亨(なかいとおる)次期社長の略歴】
1995年3月に神戸商科大商経済学部卒業後に入社。2016年4月に事業企画部長、18年4月に経営企画担当付(米国子会社NS Pharmaに出向)、19年4月に国際事業統括部長兼国際事業統括部付(NS Pharma)を歴任後、19年6月から現職。08年5月に米国ケース・ウェスタン・リザーブ大でMBA取得。49歳。

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