重症新型コロナ肺炎患者へのアクテムラとレムデシビルの併用 主要評価項目達成できず
公開日時 2021/03/12 04:50
中外製薬は3月11日、重症の新型コロナウイルス感染症患者に伴う肺炎患者に対するアクテムラとレムデシビルとの併用の有用性を検証した、第3相臨床試験「REMDACTA」で、主要評価項目を達成できなかったと発表した。主要な副次評価項目についても未達だった。
試験では、標準的な医療措置を受けている重症新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎(COVによる入院患者における、28日時点の退院までの期間の改善を主要評価項目に据えた。アクテムラとレムデシビルとの併用群では、レムデシビル単独群と比べ、主要評価項目に設定した重症の新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎患者の退院までの期間について、有意な短縮は得られなかった。死亡の可能性、人工呼吸器の使用または死亡まで進行する可能性、臨床状態等の主要な副次評価項目も未達だった。なお、アクテムラに対する新たな安全性のシグナルは認められなかったとしている。
ただ、第3相臨床試験「EMPACTA」では、新型コロナ関連肺炎患者に対して、アクテムラと標準的な医療措置を受けた患者では、プラセボと標準的医療措置を受けた患者と比べ、人工呼吸器の使用または死亡に至る可能性が44%低下したことが示されている。
奥田 修代表取締役社長 COOは、「REMDACTA試験の結果も含め、COVID-19肺炎に対するアクテムラの複数の臨床試験から得られたデータを詳細に解析し、本疾患に対するアクテムラの総合的なリスクベネフィット評価をさらに進める」とコメントしている。