新型コロナワクチン「コミナティ筋注」 医療従事者への先行接種がスタート
公開日時 2021/02/18 04:50
新型コロナウイルス感染症のワクチンの先行接種が2月17日、始まった。接種に用いられるのは14日に特例承認されたファイザーの「コミナティ筋注」で、先行接種は、医療機関約100施設で、約4万人の医療従事者に対して行う。配送された施設から順次接種を開始し、1~2万人に対しては発熱などの副反応など、接種後28日間の健康状況調査を実施する。
厚労省によると、この日接種を実施したのは8施設で125回の接種を行った(2月17日、17時時点)。16時時点において、接種直後の死亡やアナフィラキシーの発生についての報告はないという。
健康状況調査は、厚生労働科学研究(研究代表者:伊藤澄信・順天堂大客員教授)の下で、国立病院機構、地域医療機能推進機構、労働者健康安全機構の3法人で実施する。調査で得られた情報は、厚生科学審議会や薬事・食品衛生審議会(薬食審)に結果を報告し、専門家による評価を行う予定。
◎国内で接種第1例目は国立病院機構東京医療センターの新木一弘院長
この日の午前9時前、国立病院機構東京医療センターでは接種を開始した。国内で接種第1例目となった新木一弘院長は、「ワクチンは、新型コロナ感染症の切り札だという風に思っている。それが広く国民の皆さんに使って頂くための貴重なデータが解析されて役に立てば大変ありがたい」とコメントした。筋注だが、新木院長は、「私は、注射は苦手だが、全然痛くなかった」と話した。
同院ではこの日、医師、看護師ら12人が先行接種を受けた。アナフィラキシーなどのリスクを考慮し、接種後15分は接種会場で経過観察のもと休んだ。同院では今後、接種を希望する800人が先行接種を受ける。発熱した場合は勤務を休むなどの必要な対応を行うという。新木院長は、「多くの方が感染を防御して、安心して医療が提供できるようになれることを期待している」としている。(写真は代表撮影)