アストラゼネカ 新型コロナワクチンを国内申請 保管・配送、安全性情報収集はMeiji Seika ファルマが
公開日時 2021/02/08 04:51
アストラゼネカは2月5日、新型コロナウイルス感染症ワクチン候補「AZD1222」について、国内で製造販売承認申請を行ったと発表した。国内での新型コロナワクチンの申請は、ファイザーに次いで2社目。同社は、特例承認の適用を求めており、早期承認を視野に入れる。国内では、原液をJCRファーマが製造。バイアルの充填や包装などの製剤化については第一三共とKMバイオロジクスと、ワクチンの保管・配送および安全性情報の収集は、Meiji Seika ファルマと同日、契約を結んだことも発表された。
申請は、中間解析で70.4%の有効性を示した結果などに基づく。国内でも、日本人256人を対象に2020年8月から第1/2相臨床試験を実施しており、すでにすべての被験者に接種を終えているという。試験の主要データについては「準備中」としており、品質などにかかわるデータも含めて3月中にPMDAに提出する予定としている。
◎9000万回分の原液製造はJCRファーマ 製剤化は第一三共とKMバイオと契約締結
アストラゼネカは、日本政府と1億2000万回を供給することで、20年12月に最終合意書を締結している。このうち、9000万回分はJCRファーマが国内で製造する。バイアル充填や包装など製剤化については、第一三共とKMバイオロジクスが担う。同日、製造委受託契約を結んだことも発表された。製剤化について第一三共は、子会社の第一三共バイオテック(埼玉県北本市)の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」の設備を活用するとしている。KMバイオロジクスも、「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」で整備した合志事業所(熊本県合志市)で行うとしている。
◎安全性情報収集はウエブを中心に 対面必要な場合はMeiji Seika ファルマのMRが担当
ワクチンの保管・配送および安全性情報の収集などは、Meiji Seika ファルマが担う。同社がインフルエンザワクチンなどで培った流通・供給体制を活用する。同社と契約を結んだ理由について、「インフルエンザワクチンでトップシェアであり、ワクチンの輸送などのノウハウを有している」(アストラゼネカ広報部)としている。流通に際しては、厚労省が構築した「ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)」を使用し、同製品の流通管理(供給・分配・在庫管理)を行う。
また、安全性情報の収集などは、アストラゼネカが構築するウエブやメールで情報提供することを基本とする。メールでの対応が難しい場合や、副作用の再調査が必要な場合など対面での対応が必要な場合は、必要に応じて、Meiji Seika ファルマのMRが担当するとしている。