厚労省 日本脳炎ワクチンの定期接種「1期の2回接種優先を」 阪大微研の出荷調整で
公開日時 2021/01/18 04:50
厚生労働省健康局は1月15日、健康課長名で、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンについて、「定期接種の 4 回接種のうち、1 期の2回接種(1 回目及び 2 回目)を優先して接種」することを呼びかける通知を発出した。阪大微生物研究所の「ジェービックV」に製造上の問題が生じ、原因究明のために製造を一時停止したため。日本脳炎ワクチンはこのほかに、KMバイオロジクス(以下、KMバイオ)のエンセバック皮下注用があり、増産も行われるが、21年度は20年度に比べて80万本程度供給量が減少する見込み。このため、2社とも出荷調整を行う見通しとなっている。
阪大微生物研究所は、製造上の問題が発生したため、2021 年 4 月以降当面の間、微研会から販売会社(武田薬品、田辺三菱製薬)への製品の出荷を停止せざるを得なくなったと説明。販売会社から特約店への出荷調整を開始するとの情報提供を始めた。在庫がなくなった場 合は、「一定期間お届けできない状態」としている。すでに再発防止のための是正装置や予防措置を行い、製造を再開したという。販売会社への出荷再開は12月の見通し。現在までに流通している製品については「品質に関する懸念はない」としている。
こうした状況を踏まえ、厚労省は、医療機関に必要量に見合うワクチンの購入を求めた。卸売販売業者には、前年に他社と取引しており、自社と取引実績がない医療機関や、新規開設の医療機関からの発注があった場合に取引実績がないことを理由に不利になることがないよう配慮することを求めている。