COVID-19と山火事
公開日時 2020/09/30 00:00
メディカル・ジャーナリスト西村由美子カリフォルニアの自然災害といえば、毎年繰り返される山火事だ。21世紀の科学・技術をもってしても防げず、規模も被害も年々拡大するばかり。2020年の被害規模は年末を待たずに、すでに史上最悪を記録した昨年2019年を超え、ワースト記録を更新している。実は、この惨状にCOVID-19が深く関係している。大規模な大気汚染レイバー・デーの連休明け、新年度本格始動の9月8日朝、サンフランシスコ周辺の街は分厚いスモッグに包まれて目覚めた。スモッグの向こうに不気味な暗赤色の大きな朝陽が透けて見えたのはほんの一瞬だけ。空高く上ったはずの太陽は見えず、もちろん陽はささず、オレンジがかったグレーのスモッグが低く垂れ込めた1日は肌寒く暗く、室内では終日電灯をつけて過ごさなければな...