中医協総会 新型コロナの呼吸不全患者 一般病棟受入れで救急医療管理加算は5倍相当
公開日時 2020/09/15 04:50
中医協総会が9月14日、持ち回りで開催され、特定集中治療室管理料等が算定できない一般病棟で、呼吸不全状態の新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた場合、救急医療管理加算の5倍相当、4750点を算定できることを決めた。
中等症以上の新型コロナ患者を受け入れた一般病棟では、救急医療管理加算の3倍相当(2850点)を算定できることとされていたが、中等度患者でも、呼吸不全などを呈する中等度Ⅱに該当する患者では、多臓器不全の併発などのリスクが高い。そのため、複数の診療科の医師や多職種連携により、リスクに対応することが求められる。こうした状況を踏まえ、厚労省は引上げを提案した。
◎診療側・松本委員「最新の知見を適切に評価したもの」
診療側は「現場の負担及び最新の知見を適切に評価したものと評価できるので、賛同する」(松本吉郎委員、日本医師会常任理事)、「複数科の医師や多職種の関与が必要な為、救急医療管理加算を5倍に引き上げる事は妥当」(日本病院会副会長)など、賛意を示した。
◎支払側・吉森委員「真に適正な報酬のあり方やその基準を検討すべきタイミング」と指摘
支払側も、一定の理解を示したものの、吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、「これまでの対応と同様、5倍とする根拠が定性的な理由にとどまっており、定量的な根拠が示されていない」と指摘。国民が保険料で負担していることに触れ、「患者や国民の理解を得る観点からも、真に適正な報酬のあり方やその基準を検討すべきタイミングに来ているので
はないか。そのためには、国において正確な診療実態を把握することが不可欠」との考えを表明。「重症度分類ごとの患者数や臨床症候、治療に要した費用等に関する報告制度を整備するなど、より精緻なデータベースの構築に取り組むべき」とした。
幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「救急医療管理加算について令和2年度改定で対応したのと同様に、中等症の区分の判断に係る指標の測定結果について診療報酬明細書の摘要欄に記載することを要件化すべき。新型コロナウイルス感染症に対しこれまで行われてきた様々な特例的な対応については、どこかの時点で算定回数や医療費に与えた影響等の検証を行い、継続すべき事項、解除すべき事項、点数や要件等について見直しを行う事項を整理すべき」と指摘した。