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ノバルティス 多発性硬化症薬メーゼントを発売 遺伝子型確認の検査、保険適用まで無償提供

公開日時 2020/09/15 04:49
ノバルティスファーマは9月14日、二次性進行型の多発性硬化症治療薬・メーゼント錠0.25mg、同2mg(一般名:シポニモドフマル酸塩)を発売した。二次性進行型に対して有効性を証明した初の薬剤で、1日1回の経口投与で用いる。薬価は0.25mg1錠1083.50円、2mg1錠8668.00円。同剤は、治療開始前にCYP2C9遺伝子型を確認する検査が必須となっているが、現時点でこの検査が保険適用になっていない。このため同社は検査が保険適用となるまでの間、検査の無償提供を実施する。

多発性硬化症は臨床経過に基づき、急性増悪(再発)と寛解を繰り返す再発寛解型(RRMS)、RRMSとしてある程度経過した後に急性増悪の有無にかかわらず障害が徐々に進行する二次性進行型(SPMS)、発症時から急性増悪がなく進行性の経過を呈する一次性進行型(PPMS)の3病型に分類される。メーゼントはSPMSに用いる。

メーゼントは、S1P1及びS1P5受容体に選択的に結合するS1P受容体調整薬。S1P1受容体に作用することにより、リンパ球がリンパ節から移出することを防ぎ、その結果、それらのリンパ球が多発性硬化症患者の中枢神経系(CNS)に移行することを防ぐ。これにより、同剤の抗炎症作用が発揮される。

メーゼントは、遺伝子多型のある CYP2C9 で主に代謝されることから、CYP2C9遺伝子型の違いにより患者への暴露量に違いが生じることが想定されている。このため同剤の治療開始前に CYP2C9 遺伝子型を確認する検査が必須で、CYP2C9の遺伝子型に応じて、同剤の漸増投与後の維持用量を患者ごとに調整することになっている。

ただ、メーゼントの投与を目的とした検査キットはパシフィックブリッジメディカル社が8月31日付で承認を取得したものの、現時点で保険適用になっていない。ノバルティスは、「メーゼントによる治療機会を失う患者さんの存在が懸念される」として、同キットが保険適用となるまでの間、患者が同キットによる検査が受けられるよう、「メーゼント錠投与のためのCYP2C9検査結果無償提供プログラム」を実施することにした。

ノバルティスの綱場一成社長は、「進行型多発性硬化症に移行したとしても、メーゼントにより疾患進行を抑制できる可能性がある。患者さんには、人生のライフイベントを、より希望を持って迎えていただければと思う」とコメント。検査の無償提供プログラムに関しては、「多くの患者さんが安心してメーゼントの治療を受けられる機会をいち早く提供できることを嬉しく思う」としている。
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