米FDA 小児用自動インスリン注入・監視装置を承認
公開日時 2020/09/08 04:48
米食品医薬品局(FDA)は8月31日、米Medtronic社の小児用自動インスリン注入・監視装置(ハイブリッド型閉鎖系ループシステム;携帯用)MiniMed770G Systemを承認した。
装置は、2歳から6歳の小児における1型糖尿病に対して、本人あるいは介護者の手を煩わせることなく、5分ごとに血糖値を測定するセンサーと体内に装着したインスリンポンプを接続させ、自動的に血糖値を管理、基礎インスリンを注入する。スマホとも接続でき、医療関係者や介護者に測定データを発信できる。
FDAは、2016年9月に同装置の先行品に相当する、MiniMed670G Systemについて、14歳以上の小児および成人における1型糖尿病の適応で承認している。FDAは、MiniMed770G Systemについて、2歳から6歳までの小児46例に臨床試験を実施、重篤な有害事象もなく、安全に使用できることが示されたとしている。
FDAのStephen M Hahn局長は、「科学・技術・製造の進歩は、生命を脅かす慢性疾患である1型糖尿病の治療および適切な管理に大きな歩みを刻むことに役立つ」と述べた。そのうえで、「FDAは、これらの進歩に基づく新規技術の開発支援をする政策の促進に専念している。また、特に小児に影響を及ぼすこの疾患に悩む患者のQOLを改善させる製品の開発および製品ライン拡大に取り組み続けている」とコメントした。
Medtronic社のSean Salmon上級副社長兼糖尿病グループ長は、「我々は、今(コロナ禍で)遠隔医療を選択する多数の患者や家族とデータを共有することが如何に重要か認識しているので、この新規システムを発売できることにワクワクしている」と述べた。そのうえで、「親の1人として私は、介護者への接続性がなぜ大切なのかを個人的に理解している。また、介護者に彼らの愛する者のウエルビーイング(幸せ)を確かにするという心の平安を持って、ハイブリッド型閉鎖系ループシステムへのアクセスを拡大できることを嬉しく思う」とコメントした。