厚労省 添付文書改訂を指示 ヨード造影剤、重大な副作用に「造影剤脳症」追記
公開日時 2020/07/21 04:50
厚生労働省医薬・生活衛生局は7月20日、重大な副作用などが判明した医療用医薬品の添付文書を改訂するよう、日本製薬団体連合会に医薬安全対策課長通知で指示した。イオパミドールなどのヨード造影剤のうち、脳血管撮影や心臓血管撮影などの適応について、重大な副作用の項に「造影剤脳症」を追記することになった。
添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。カッコ内は販売名/承認取得者。
▽イオパミドール(イオパミロン注 他/バイエル薬品 他)
▽イオヘキソール(尿路用・血管用)(オムニパーク注 他/GEヘルスケアファーマ 他)
▽イオヘキソール(尿路用・血管用・CT用)(オムニパーク注 他/GEヘルスケアファーマ 他)
▽イオジキサノール(ビジパーク注/GEヘルスケアファーマ)
▽イオベルソール(オプチレイ注/ゲルべ・ジャパン)
▽イオプロミド(プロスコープ注 他/アルフレッサファーマ 他)
▽イオメプロール(イオメロン注/ブラッコ・エーザイ)
指示概要:脳血管撮影、心臓血管撮影、血管心臓撮影、血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む)、大動脈撮影、胸部血管撮影、小児血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む)の適応について、「重大な副作用」の項に「造影剤脳症」を追記する。
過去3年間の国内報告数のうち、医薬品と造影剤脳症関連症例との因果関係が否定できない症例はイオパミドールで5例。このうち、死亡との因果関係が否定できない症例は0例。
改訂理由:国内症例が集積されたことから、専門委員の意見も踏まえ改訂することが適切と判断した。改訂の範囲については、造影剤脳症関連症例のうち因果関係が否定できない症例は、いずれも脳血管撮影又は心臓血管撮影の適応で使用されていた。脳血管撮影又は心臓血管撮影のほか、脳動脈より中枢側の動脈を造影する血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む)、大動脈撮影、胸部血管撮影、小児血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む)の適応で使用された場合にも同様に発現する蓋然性が高いと考えられることから、専門委員の意見も踏まえ、脳血管撮影、心臓血管撮影、血管心臓撮影、血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む)、大動脈撮影、胸部血管撮影、小児血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む)の適応を有する医薬品とした。