アムジェンとユーシービー 骨粗鬆症患者の二次骨折予防でIOFのプログラムを支援
公開日時 2020/06/17 04:50
アムジェンとユーシービーは6月16日、骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折および椎体骨折の発生率25%低下を目的とした国際骨粗鬆症財団(IOF)の「Capture the Fractureプログラム」を支援すると発表した。同事業は、骨粗鬆症患者の二次骨折を防ぐべく、医療機関および医療システムにおいて骨折後ケアを積極的に実施するためのグローバル事業。骨粗鬆症を経験し、さらなる骨折の危険性の高い患者の約80%が未診断または未治療であるという。骨折後の治療をコーディネートすることで、診断率や治療率の改善に努めたい考え。
骨粗鬆症による骨折は年間890万件程度、3秒に1件発生するとされ、急速な人口の高齢化を経験した先進国のみならず、世界全体の医療課題と位置づけられるようになってきた。さらに、既存骨折は骨粗鬆症による二次骨折リスクを86%上昇させるため、既存骨折を有する患者の特定、診断、治療を通じた早期介入が重要となる。
今回の「Capture the Fractureプログラム」は、IOF主導のもとオックスフォード大学との共同で実施される。これにアムジェンとユーシービーが支援を表明した。Capture the Fractureモデルの中心を担うのはケア・コーディネーターで、骨粗鬆症による骨折を有する患者を特定・検査・診断し、さらに適切な治療を提供することで将来の二次骨折のリスクを低下させる役割を担う。骨折後の治療をコーディネートすることにより、診断率や治療率を改善できることが明らかになってきた。今回の共同事業により、現在390の同プログラムを2022年中に倍増させる考え。アジア太平洋、ラテンアメリカ、中東、欧州といった主要地域で集中的に事業を実施する。
アムジェン・グローバル・メディカル担当シニア・ヴァイス・プレジデント兼チーフ・メディカル・オフィサーのダリル・スリープ氏は、「患者さんの人生を変えてしまうかもしれない深刻な骨折のリスクを予見し、予防することは当社の重要な取り組みの一つだ」と強調した。ユーシービーのチーフ・メディカル・オフィサー兼エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントのアイリス・ロウ-フリードリッヒ博士は、「将来的な課題に私たちが立ち向かい、医療保険制度そして骨粗鬆症の患者さんの経済的負担を軽減するためには、協働と相互学習が不可欠だ」と強調、当事国の政策における骨折予防の優先順位の引き上げなどに貢献する考えを表明した。