新型コロナ拡大で時限措置 初診でのオンライン診療スタート 初診料は214点
公開日時 2020/04/13 04:51
新型コロナウイルス感染の拡大がつづくなか、厚生労働省はきょう4月13日から、時限的・特例的な措置として、初診でのオンライン診療をスタートさせる。同省は、中医協総会を4月10日に持ち回りで開催し、「電話等を用いた初診料」を214点とすることを決めた。新型コロナウイルス感染の拡大が続くなかで、慢性疾患患者への再診を認めていたが、対象疾患を問わず、初診まで拡大する。感染リスクを意識し、患者が医療機関を受診することが難しくなるなか、医療従事者の感染リスクを低下させるためにも、電話などでのオンライン診療が待たれていた。
新型コロナウイルスへのオンライン診療は、安倍首相が経済財政諮問会議で活用の有用性に言及し、これを受けて議論した規制改革推進会議が初診のオンライン診療解禁を求める意見書を取りまとめていた。4月7日に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」に、「新型コロナウイルス感染症が急激に拡大している状況の中で、院内感染を含む感染防止のため、非常時の対応として、オンライン・電話による診療、オンライン・電話による服薬指導が希望する患者によって活用されるよう直ちに制度を見直し、できる限り早期に実施する」と明記されている。
オンライン診療は、“初診対面の原則”のあるなかで、再診でのみ認められていた。また、疾患や施設基準にもハードルがある。
◎再診料は73点、処方料は42点、処方箋料は68点
今回特例的ではあるが、創設されたオンラインでの診療は214点で、対面での初診料(288点)より低い点数設計となる。再診料は73点。処方料は42点、処方箋料は68点となる。また、管理料(147点)の算定も可能になる。また、医療機関からFAXなどで送付された処方箋情報に基づき、薬局で調剤を行い、電話等で服薬指導を行った場合にも調剤技術料、薬剤料、特定保 険医療材料料及び薬剤服用歴管理指導料などが算定できる。
◎向精神薬や抗がん剤は処方できず 基礎疾患確認できない場合は処方上限7日
オンライン診療については疾患などでの縛りはなく、「診断や処方が医師の責任の下で医学的に可能であると判断した範囲」であれば診断や処方が可能とした。ただし、麻薬や向精神薬、高悪性腫瘍薬や免疫疾患抑制薬などの処方はできない。
診療の際は、過去の診療録や診療方法提供書、地域医療情報連携ネットワークや健康診断の結果などで、基礎疾患の情報を把握、確認することを求める。基礎疾患などを確認できない場合は、処方日数は7日間を上限とし、処方箋の備考欄に基礎疾患を把握dしていないことを明記することを求めた。
一方で、医師が診療を不要と判断した場合は「健康相談」、対面診療が必要と医師が判断した場合は「受診勧奨」として切り分け、電話等を用いた初診としての214点は算定できない。ただ、無症状や軽症患者のフォローアップに活用する場合は、算定が可能となる。
このほか、患者のなりすましの防止や虚偽申告を防ぐ観点から、被保険者証をオンラインやFAX、写真の電子データをメールで送付するなどして受給資格の確認を行うことを求めた。