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安倍首相 新型コロナでアビガンの治験開始へ 増産も

公開日時 2020/03/30 04:50
安倍晋三首相は3月28日の会見で、新型インフルエンザ治療薬・アビガン(一般名:ファビピラビル、富士フイルム富山化学)について、薬事承認の取得を目的とした治験を開始する方針を明らかにした。同剤はすでに観察研究の枠組みで用いられている。安倍首相は、「アビガンには海外の多くの国から関心が寄せられており、今後、希望する国々と協力しながら臨床研究を拡大するとともに、薬の増産をスタートする」と述べた。

アビガンはRNAポリメラーゼを選択的に阻害し、ウイルスの増殖を防ぐ。すでに数十例の投与経験がある。ただ、催奇形性の副作用などが知られており、妊婦、妊娠の可能性のある人には禁忌となっている。


◎フサンの観察研究スタートも


また、エボラ出血熱治療薬のレムデジビル(ギリアド)については、「日米が中心となった国際共同治験がスタートしている」と説明した。米国立衛生研究所(NIH)が主導する国際共同臨床試験が進行中で、日本からは国立国際医療研究センターが参加している。

このほか、膵炎治療薬のフサン(ナファモスタットメシル酸塩、日医工)についても言及し「今後、観察研究として、事前に同意を得た患者の皆さんへの投与をスタートする予定」と述べた。

安倍首相は、アカデミアや民間企業に研究開発の動きがあることに触れ、「これらを政府が力強く後押しすることにより、あらゆる可能性を追求する」と強調。「日本だけでなく、世界中を未曾有の不安と恐怖が覆う中で、日本は持ち前のイノベーションの力で、希望の灯をともす存在でありたい」と語った。

◎医療崩壊は「決して対岸の火事ではない」 長期戦の覚悟を


世界各国の感染者が50万人を超えた。特に直近の2日間は10万人ペースで増加している。イタリアなどでは、重症者が増加するなかで、医療崩壊とも呼べる事体となっている。安倍首相は、「決して対岸の火事ではない」と強調した。

日本の状況について安倍首相は、「欧米とは異なって、現状ではまだぎりぎり持ちこたえている。しかし、それゆえに、少しでも気を緩めれば、いつ急拡大してもおかしくない」との見解を示した。ひとたびオーバーシュート(感染爆発)が起きると、欧州の例に基づく試算では、「わずか2週間で感染者数が今の30倍以上に跳ね上がる」と指摘した。オーバーシュートが回避で来た場合についても、「正に水際の状態がある程度の長期にわたって続くことを意味する。この闘いは長期戦を覚悟していただく必要がある」と述べた。

そのうえで、改めて、換気の悪い密閉空間、人が密集する場所、近距離での密接な会話の「3つの“密”を避ける行動をお願いする」と呼びかけた。


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