新型コロナウイルス感染拡大の特徴「換気が悪く、人が密集」 厚労省
公開日時 2020/03/03 04:51
厚生労働省は3月2日までに、新型コロナウイルスの感染拡大の特徴として、「換気が悪い」、「人が密に集まって過ごしている」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い」―ことをあげた。感染者の約8割からは人への感染は見られなかったが、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントなどで感染が拡大したと指摘している。厚労省は、イベントを開催する際は、規模の大小にかかわらず、風通しの悪い空間や、人が至近距離で会話する環境をなるべく作らないなど、実施方法の検討を求めた。
◎専門家会議「人と人との接触控えて」 症状軽い若年層を核に感染拡大の可能性も
専門家会議は3月2日、国内の感染状況を分析した結果、「症状の軽い人が、気がつかないうちに、感染拡大に重要な役割を果たしてしまっていると考えられる」と指摘した。
感染の拡大が続く北海道については、中国からの旅行者が多いことが理由だと指摘。都市部に集う若年層などが無症状感染したあと、他の圏域に移動し、複数地域に感染を拡大させたとの見方を示した。そのうえで、「この1~2週間の間に、人と人との接触を可能な限り控えるなど、積極的な対応を行えば、感染拡大を急速に収束させることが可能」との見解を示した。ただ、対応を実施しなければ、道全体に急速に感染が拡大するおそれがあると警鐘を鳴らしている。
必要な対策としては、➀のどの痛みや咳、発熱だけなど軽い風邪症状でも外出を控える、②ライブハウスや立食パーティーなど規模の大小に関わらず、風通しの悪い空間で人と人が至近距離で会話する場所やイベントにできるだけ行かない―こととした。このため北海道の事業者に対し、テレワークの活用や出張の抑制を呼びかけた。
一方、症状のない人であれば、屋外での活動や、散歩や買い物など人との接触が少ない活動をすること、手を伸ばして相手に届かない程度の距離をとって会話をすることなどは、感染リスクが低い活動だとしている。
◎軽症が8割も重症例は5~7日で急激に悪化
専門家会議が公表した、国内の感染事例の分析結果によると、新型コロナウイルスの感染者のうち症状がある人の程度は、軽症が8割を占め、重症は14%、重篤は6%にとどまった。重症例では、症状が出てから約5~7日程度で症状が急激に悪化し、肺炎に至る傾向が見られる。いずれの患者も風邪症状から始まるため、重症化する患者の判断が難しいという。