【World Topics】CES国際ブース 躍進目立つフランスのスタートアップ
公開日時 2020/01/10 04:51
スタートアップが集まるCESの国際展示セクションで展示スペースの規模でも出展者数でも断然際立っているのがフランス勢だ。全ブースにはフランスのシンボルである赤い雄鶏のロゴが掲げられ、参加者が一丸となってフレンチテックを世界に示すという強い意気込みが感じられる。
デジタル・スタートアップ育成を進めるフランス国務省はCESでの展示を事業の一環に位置付けている。今年フランスから出展している420社(出展数420は中国に次ぐ第2位)のうち380社がスタートアップである。国をあげた育成策の成果は1万超のスタートアップ。毎年30%以上その数を伸ばしているという。
2020イノベーション・アワードのヘルステック部門での受賞は4社(35社中)。すでに先日のコラムで紹介したが、いずれも世界初の失読症の子どもの読書支援アイウェア(ABEYA社、Lixilens)と、家庭用小型血液検査ラボ(xRapid 社、xrBlood)。そして、排泄物分析でペットの健康状態をモニターするペット用スマートトイレ(NOVANDSAT社、Caremitou)、ポータブル呼気酒気検出器(OLYTHE社, OCIGO)であった。
◎韓国企業 家電からリハビリやスマート枕、口腔機器まで
すでに先日紹介したヘルステック部門の2020ベスト・テクノロジー・アワードを受賞したCharmCareのウェラブル24/7モニタリング血圧計H2BPは、韓国発テクノロジーである。韓国はヘルステック部門で米国に次ぐ最多アワード受賞国(8社8製品)で、ヘルステック・スタートアップの躍進目覚ましい国として注目されている。今年の受賞は、壁掛け式薄型空気清浄装置Puripot Air Frame(Dadam Micro社)や壁掛け式のスマートミラーLumini Home(LuluLab)など家電に強い韓国らしい製品から、リハビリ支援ウェラブル+アプリ(EXOSYSTEMS社)、トレンディな睡眠支援グッズであるスマート枕Motion Pillow(10Minds社)まで幅広く、さらには養護老人ホーム在住の高齢者向けにデザインされた医療用口腔ケア機器COMORAL(ソウル大学SMD Solutions)、寝たきりの患者のための排泄マネジメント装置Carebidet(Curaco社)から化学薬品を使わない電子(体臭予防)消臭装置Pragrant(Han Yang大学)等、いずれも世界初を標榜する製品まで幅広いラインアップが印象的であった。(医療ジャーナリスト 西村由美子)