大日本住友 2型糖尿病治療薬のImegliminを20年度中に国内で承認申請へ
公開日時 2019/12/23 04:51
大日本住友製薬は12月20日、2型糖尿病治療薬としてフランスの製薬企業・ポクセル社と共同開発を進めるimegliminについて、2020年度中の承認申請を目指すと発表した。21年度中の発売を予定する。同社はこの日、日本人を対象とした3本の臨床第3相試験「TIMES」が当初の予定通り完了したと発表した。同社は、「国内糖尿病領域ナンバーワンメーカー」を掲げる。メトホルミンやDPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬など幅広いクラスのポートフォリオを有する同社だけに、同剤の上市でラインアップを強化し、市場での存在感をさらに増したい考えだ。
同剤は、ミトコンドリアの機能を改善する独自のメカニズムを有し、すい臓・筋肉・肝臓に作用し、グルコース濃度依存的なインスリン分泌の促進・インスリン抵抗性の改善に加え、糖新生の抑制により、血糖降下作用を示すことが期待される。両社は2017年10月、日本、中国、韓国、台湾および東南アジア9か国を対象とした開発・販売提携契約を締結した。契約に基づき、国内での販売は、大日本住友製薬が単独で行う。
◎TIMES2試験で日本人データを検証
臨床第3相試験の一つである「TIMES2」試験は、714人の日本人2型糖尿病患者を対象に、52週間の非盲検、並行群間比較試験として実施した。同剤1000mgを1日2回経口投与または既存の血糖降下薬と併用投与し、長期での安全性・有効性を検証した。
その結果、投与 52 週間後の HbA1c のベースラインからの変化量で、同剤投与群は HbA1c を低下させた。(併用療法:DPP-4 阻害薬 -0.92%、 チアゾリジン薬 -0.88%、α-GI 薬 -0.85%、グリニド薬 -0.70%、ビグアナイド薬 -0.67%、SGLT2 阻害薬 -0.57%、 SU薬 -0.56%、GLP-1受容体作動薬 -0.12%/単剤療法 -0.46%)。
安全性については、「全ての投与群において総じて良好な忍容性を示し、有害事象は、同剤の日本での単剤投与試験である TIMES 1 試験、インスリン製剤との併用療法試験である TIMES 3 試験および他の臨床試験で観察された内容と同様の結果だった」としている。