共和薬品 独立系ファンドのユニゾン傘下に 印ルピンが共和の全株式譲渡、573億円で
公開日時 2019/11/13 03:50
共和薬品は11月12日、親会社のインド・ルピン社が保有する共和の全株式を、独立系ファンドのユニゾン・キャピタルに573億円で譲渡する契約を締結したと発表した。株式譲渡は2020年3月末までに完了する予定。共和は20年4月以降、ユニゾン傘下に入り、中枢神経系(CNS)領域の総合ヘルスケアカンパニーになることを目指す。共和の19年度売上は282億円。
ルピンは共和株式の99.8%を保有しているが、今回、全株式を手放す。ルピンが米国とインドに投資を集中する選択をしたことが理由となる。共和が現在扱う製品の一部はルピンの工場で製造しているが、ユニゾンへの株式譲渡後も、共和とルピンとの間の提携関係は継続させ、製品の安定供給に支障がないようにする。
共和は1954年に創業し、後発品を中心に事業展開してきた。日本市場でも後発品が大きく市場浸透し始めたこともあり、07年にルピン傘下に入り、グローバルの資本とノウハウで成長する戦略をとった。共和はCNS領域の後発品でトッププレイヤーの地位を確立。16年以降はCNS領域の長期収載品や新薬を手掛けるなどし、CNS領域のスペシャリティファーマになるべく変革している最中にあった。
共和広報部は本誌取材に、共和は今後、ユニゾンの持つネットワークと連携して、医薬品にとどまらず、医療機器や人工知能(AI)を用いたソリューションを手掛ける「CNS領域の総合ヘルスケアカンパニー」を目指すと説明した。ユニゾンも、共和の総合ヘルスケアカンパニーになるとの方向に共感しているという。