キッセイ・19年度第2四半期 2ケタの減収減益、ユリーフ特許切れで
公開日時 2019/11/07 03:50
キッセイ薬品は11月6日、2020年3月期(19年度)第2四半期(4~9月)の連結業績が2ケタの減収減益だったと発表した。売上は315億円(前年同期比11.5%減)、営業利益は23億円(45.1%減)だった。18年度に年間178億円を売り上げた排尿障害改善薬ユリーフに今年、後発品が参入し、19年度上期の売上は35億4000万円、前年同期比59.7%減となったことが、厳しい業績の理由となる。同剤の19年度売上は62億円、前年同期比65.2%減を見込む。
21年度を最終年度とする5か年の現中期経営計画では、業績は19年度~20年度に底を打ち、V字回復させる内容となっている。
同社はこの日の決算会見で、ユリーフの特許切れ影響は、6つの新製品の伸長と、後期開発品の計画通りの開発・上市、「泌尿器」や「腎・透析」など重点領域での製品導入などに「積極的に投資」して影響を最小化する考えを示した。6製品は、▽潰瘍性大腸炎治療薬レクタブル▽過活動膀胱治療薬ベオーバ▽高リン血症治療薬ピートル顆粒剤▽糖尿病治療薬グルベスOD錠▽男性の夜間多尿による夜間頻尿治療薬ミニリンメルト▽今年度中の発売を計画する腎性貧血治療薬ダルベポエチンアルファのバイオシミラー(BS)――となる。
このうちベオーバは今年12月に14日投与日数制限が解除される。19年度の売上計画は21億円(上期実績は4億8500万円)。この1年間に蓄積した安全性データなどをもとに、医師や患者の治療意向に沿った情報提供活動を行う方針。共同販売している杏林製薬との合算でピーク時売上として180億円を目指す。
ダルベポエチンアルファBSの19年度の売上計画は5億円とした。同社の腎性貧血治療薬エポエチンアルファBSはシェアトップだが、ダルベポエチンアルファ市場は8月にオーソライズドジェネリック(AG)が先行発売している。AG先行発売の中で、同社が手掛けるダルベポエチンアルファBSの将来のシェア見込みも気になるところ。この点について同社は、「今期はなんとか売上5億円を成し遂げたい。今期の状況をみながら今後を考えたいが、状況は相当厳しいと見通している」と説明した。
【連結業績(前年同期比) 19年度予想(前年同期比)】
売上高315億4800万円(11.5%減) 620億円(14.2%減)←修正前614億円
営業利益23億3400万円(45.1%減) 15億円(75.8%減)←10億円
親会社帰属純利益21億5000万円(35.6%減) 29億円(47.1%減)←27億円
【主要製品売上(前年同期実績) 19年度予想、億円】
ユリーフ 35(87)62
ベオーバ 4(-)21
ピートル 29(23)63←修正前67
エポエチンアルファBS注JCR 30(30) 50
ダルベポエチンアルファBS注JCR -(-)5
グルべス 23(22)48←修正前47
グルファスト 7(8)13
サラジェン8(8)16←修正前15
レクタブル 3(2)10←修正前11
ベザトール 7(8)14
注)1億円未満切捨て