日本リリー 休暇や手当、同性婚でも平等に 製薬企業でLGBT対応進む
公開日時 2019/10/07 03:50
製薬企業でも外資系企業を中心にLGBTへの対応が進んでいる。日本イーライリリーは10月1日、社内規定における配偶者の定義を改定し、同性婚や事実婚など、法的制度に基づく婚姻関係ではないパートナーも対象に含めることにした。「LGBT」などと呼ばれる性的少数者が働きやすい環境づくりを進め、多様な人材が活躍できるよう促す。
同社では、①18歳以上、②お互いに重婚ではない、③生活基盤を共にしている―を条件に、法律婚ではないパートナーも配偶者とみなすとした。認められれば、出産の際の休暇の取得や慶弔等見舞金の受け取りなどが可能となる。
同社の木澤雄次人事本部長は、「多様化する患者や医療従事者などのニーズに対応し、イノベーションを促進するためには、ダイバーシティ&インクルージョンが重要だ。今回の改定に多様な社員が自分らしく能力を最大限発揮できる職場環境がさらに促進されることを望んでいる」とコメントしている。
◎AZ パートナーシップ証明書など取得を条件に
製薬企業ではこのほか、アストラゼネカが19年8月、社内規定を一部変更し、自治体が発行するパートナーシップ証明書などを取得すれば、婚姻関係があるとみなすこととしている。制度を利用した社員の1人は、「制度が変更されてすぐに結婚慶弔金を申請した。会社が自分の存在を認めてくれたと感じられ、とても嬉しい。自分を受け入れられているという安心感は仕事のモチベーションにつながる」とコメントしている。
電通が18年に6万人を対象に行った調査では、LGBTを含む性的少数者に該当する人は8.9%に上るとされる。