【World Topics】AMAZON CARE アマゾンが社員向け新医療サービスを立ち上げ
公開日時 2019/10/02 03:51
アマゾンが社員向けに医療サービスのパイロット事業「アマゾン・ケアAmazon Care」を立ち上げた。サービスはアマゾンの社員限定だが、現在(当分?)一般公開中のウェブサイトから事業の概要を見ることができる。
https://amazon.care
サービスはテレヘルスを基盤としたバーチャル・クリニック(オンライン診療・相談)に、医療者の派遣(往診)、専門医への紹介、処方薬の販売・配達をシームレス組み合わせたもの。ワシントン州のクリニック・チェーンOasis Medical Groupとの提携で提供される診療内容はいわゆるurgent care(急な発熱、怪我など命に関わらない救急診療)、予防・検診のフォローアップ、海外出張などにともなう医療ニーズ、一般健康・医療相談など。診療結果によっては看護師などがオフィスや自宅まで往診してくれる。処方薬もオンライン薬局から自宅などに配送されてくる。診療受付時間は午前8時から午後9時まで(週末は午後6時まで)。サービスが利用できるのはシアトル周辺(米ワシントン州)に在住の社員(扶養家族含む)限定で受診可能な地域が郵便番号でウェブ上に明示されている。
アマゾンのこの新しい医療サービスは、同社がJPモーガン・チェイス社、バークシャー・ハザウェイ社とともに立ち上げたジョイント・ベンチャーが基盤だ。2018年に社員向け医療事業で提携すると発表した3社は、その後1年以上をかけてNPO医療法人Haven(ヘイブン:避難所の意)を立ち上げ、動向が注目されていた。アマゾンが開発する新しい医療サービスは、やがて3社の社員全体に拡大される計画だが、いずれも世界企業ランキングでトップ10入りしている3社の従業員数は合わせて100万人超。アマゾン・ケアが、社員限定のままでも、世界最大規模のプライマリケア・クリニックになる日は遠くない。(医療ジャーナリスト 西村由美子)