エーザイ 認知症との共生・予防実現で東京海上日動とコラボ 疾患啓発・保険商品普及で
公開日時 2019/09/27 03:52
エーザイ9月26日、国内での認知症との共生・予防の実施に向け、東京海上日動火災保険と業務提携を締結したと発表した。一般向けの疾患啓発活動に力を入れ、この日から疾患啓発冊子の配布をスタートさせた。東京海上日動の有する幅広いネットワークを活用し、若年者などこれまで手の届かなかった層へ働きかける。両社はさらに、認知機能をセルフチェックする環境整備や、保険商品の普及などに注力する考え。医薬品だけでなく、ソリューションを社会に届けることで、政府の掲げる“認知症共生社会”の実現に貢献したい考えだ。
両社の締結した契約では、①疾患啓発、②認知機能セルフチェックを日常的に行ってもらうための環境整備、③保険商品の普及に向けた施策―に協働して取り組む。
エーザイは地域自治体や、医療機関・薬局などを通じ、一般向けの疾患啓発にも注力してきた。ただ、イベントを訪れるのは認知機能に不安のある人などにとどまる。東京海上日動火災保険と組むことで、さらに幅広い層へのアプローチを可能にする。
疾患予防の重要性が高まるなかで、認知機能を体重や血圧値のように、認知機能を気軽に、かつ客観的に把握してもらえる環境整備にも力を入れる。これにより、早期診断・早期治療につなげたい考え。同社、認知機能をセルフチェックできるデジタルツール「Cogstate Brief Battery(CBB)」の国内での開発・商業化も進める。東京海上日動は保険商品として、認知症患者・家族の専用保険「認知症あんしんプラン」を開発・発売している。提携を通じ、両社の有するソリューションを最大活用することも視野に入れる。
同社は、リアルワールドデータ(RWD)やこれまで培った知見を強みに、認知症領域でプラットフォーマーとなることを目指している。スポーツジムや民間保険など異業種とコラボし、治療だけでなく、予防などでソリューションを提供するビジネスモデル構築に踏み出している。今回の取り組みもその一環。他の企業や団体とのコラボも検討するとしており、パートナーシップに力を入れる姿勢も示した。