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諮問会議 20年度予算編成へ議論開始 生産性・QOL向上を実現する社会保障改革を推進

公開日時 2019/07/30 03:52
政府の経済財政諮問会議(座長:安倍晋三首相)は7月29日、2020年度予算の全体像について議論をスタートさせた。諮問会議の民間議員は、Society5.0時代の生産性・QOL向上による産業振興に予算を重点配分する方針を示した。ただ、懸案の歳出改革については、「診療報酬の大胆な見直しに伴う病床機能の転換」や「調剤報酬の適正な評価」の改革断行を打ちだすなど、メリハリの効いた予算配分を求めた。製薬産業に対しても、「高い創薬力を持つ産業構造への転換と薬価制度の抜本改革」の実行を明記した。注目すべきは、給付と負担の議論に切り込んだ点だ。政府は与党との調整を経て31日に諮問会議を開き、概算要求基準を固める方針。

◎人口構造や社会インフラの進展を踏まえた改革を

この日の諮問会議では足元の経済では緩やかな成長を描いていることが報告されたが、民間議員は危機感を露にした。日本は今後、超高齢社会と労働生産人口の減少という、これまでにない課題に直面するためだ。民間議員は、こうした人口構造の変化や社会インフラの進展を踏まえて社会保障改革に取り組む必要性を強調した。これまでは、歳出改革に重点が置かれてきたが、国内需要の喚起に重点的に予算を割く必要性を指摘した。社会保障についても、将来の安心感を与える改革の推進で、需要が拡大する姿を描いた。

労働生産人口の減少下で注視される、“給付と負担”についての考え方も明記した。労働生産人口の減少を食い止め、支え手側を増やすには、「年齢等にとらわれない視点等から検討すべき」とした。

◎ゲノム医療推進でビッグデータ利活用を

20年度予算の重点事項として、生産性向上や、健康・予防づくりなどを明記した。生産性向上については、生涯にわたる健診・検診情報の活用によるデータヘルス改革を推進し、医療・介護の標準化を進めることの必要性に言及した。また、高齢化による人材不足が医療・介護分野にも深刻な影を落とすなかで、介護ロボットやIT技術の利活用を拡大することで人的リソースの最適化を図り、生産性を向上させる必要性を指摘した。

民間議員の一人は会議の席で、生産性の低い分野の一つに医療をあげた。特に、ゲノム医療をあげ、欧州で政府がインフラ整備に積極的に投資し、その結果として、研究開発費用だけでなく、適切な患者への治療の実現による医療費抑制が抑制されていることを紹介した。そのうえで、政府にビッグデータ構築に向けた重点的な投資の必要性を強調した。

◎予算は「単に削るだけではなくて、しっかり配分すべき」 民間議員


予防・健康づくりについては、糖尿病の重症化予防や、認知症の発症抑制で、担い手を増やせる可能性についても言及。歳出抑制のターゲットにされてきた感のある医薬品業界だが、「予算を単に削るだけではなくて、しっかりと予算配分をしていくべき」との指摘も民間議員からあがった。
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