18年のグローバル製品売上 トップは自己免疫疾患薬ヒュミラ、254億ドル IQVIA
公開日時 2019/07/10 03:52
IQVIAはこのほど、2018年の世界の医療用医薬品売上の1位が関節リウマチや乾癬などの自己免疫疾患に用いるヒュミラ(一般名:アダリムマブ)だったとの調査結果をまとめた。売上は254億8500万ドルで、前年比10.8%増だった。2位はインスリン製剤ランタス(インスリングラルギン)で売上104億1400万ドル、前年比8.5%減、3位は自己免疫疾患用薬エンブレル(エタネルセプト)で101億8100万ドル、3.0%減だった。世界で異なる名称や企業で流通する製品を同一にグルーピングした結果で、国・地域によってはOTC売上を含む場合がある。
文末の「関連ファイル」に売上トップ20の資料を掲載しました(7月10日のみ無料公開、その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。
売上は工場出荷価格で、国・地域によっては一定の係数をかけて算出した。売上は四半期ごとの為替変動が反映されている。前年比(伸び率)は18年第4四半期のレートで固定して算出したもので、為替影響が除外されている。
4位の経口抗凝固薬エリキュース(アピキサバン)は101億2100万ドル、45.5%増で、これらトップ4製品が100億ドル以上製品となる。エリキュースの伸び率の大きさは、トップ20製品のうち、9位にランクインしたがん免疫療法薬キイトルーダの72億1600万ドル、97.6%増に次ぐものとなる。
5位は経口抗凝固薬ザレルト(リバロキサバン)で91億7800万ドル、18.0%増、6位は自己免疫疾患用薬レミケード(インフリキシマブ)で77億6700万ドル、6.1%減、7位はがん免疫療法薬オプジーボ(ニボルマブ)で75億4300万ドル、34.6%増、8位はインスリン製剤ノボラピッド(インスリンアスパルト)で73億5400万ドル、6.1%増、9位はキイトルーダ、10位は経口血糖降下薬ジャヌビア(シタグリプチン)で71億2300万ドル、10.7%増――だった。
ランタス、エンブレル、レミケードは上市から一定期間が経ち、国・地域によってはバイオシミラーが登場しているが、いずれも売上トップ10に入った。世界最大の米国市場でバイオシミラーの採用や処方が進んでいないことが要因とみられる。低分子化合物は先進国、新興国ともに急速に後発品に置き換わるが、バイオ医薬品は米国市場の動向を反映してか、大きな減収にはなっていないことが確認できる。