低成長下の卸決算、薬価差圧縮も微増益
公開日時 2019/06/30 00:00
サプライチェーンロジスティクス研究会保高英児多角化、医療関連事業は曲がり角、活路は未病・地域流通透明化と過大な薬価差縮小を謳う流通改善ガイドライン(GL)制定下での医薬品卸各社の2018年度決算が発表された。18年9月には毎年改定の試行ともいえる消費税改定に向けた薬価調査が行われたが、卸は薬価差縮小に注力した結果、乖離率は1.9ポイント圧縮の7.2%となった。12年ぶりに8%を切り込む乖離率だが、毎年改定に対応するには乖離率を5.6%以下に圧縮することが最低限必要で、今後のさらなる薬価差圧縮努力が肝要だ。結果としての卸決算は、0.15ポイント(P)の粗利率増で、縮小した薬価差の卸への配分は僅少だったが、低粗利基調の大手2社は大幅粗利増を達成、価格防衛による増益を果たした。今号の卸決算分析は、...