政府の健康・医療戦略推進本部 再生医療・遺伝子治療の産業化に30.3 億円配分
公開日時 2019/06/21 03:52
政府の健康・医療戦略推進本部は6月20日、医療分野の研究開発関連の調整費・総額80.2億円の配分方針を決定した。うち「再生医療・遺伝子治療の産業化にむけた基盤技術開発事業」に30.3億円配分、「生活習慣病・難治性疾患克服実用化研究事業」に6.2億円、「臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業に5.4億円を配分する。このほか、「医療分野研究開発推進計画の実行状況と今後の取組方針2019」では、オールジャパンでの医薬品創出プロジェクトとして、遺伝子治療や中分子などの新たなモダリティに対する基礎技術基盤開発を実施するとした。
政府は、①医薬品、②医療機器、③革新的な医療技術創出拠点、④再生医療、⑤ゲノム医療を各省連携による5つの「横断型統合プロジェクト」として実施する。さらに、がん、精神疾患、感染症、難病については、4つの「疾患領域対応型統合プロジェクト」に整理し、基礎研究から実用化へ一貫してつなぐプロジェクトとして推進する。
◎バイオ医薬品のモダリティの創薬技術や製造技術の開発を強化
2020年度においては、特にバイオ医薬品のモダリティの創薬技術や製造技術の開発強化に取り組む。さらに疾患領域に着目した研究開発について、ゲノム医療、免疫療法による医薬品開発、核酸医薬などの新規モダリティ等を利用した治療薬開発、疾患の本態解明研究による創薬シーズの創出を進めるとした。
◎質の高い「データヘルス計画」の策定 評価指標や保健事業の標準化を検討
このほか新産業の創出を推進するために必要な人材育成や確保、先進的研究開発および新産業創出に関する教育および学習の振興、広報活動の充実にも取り組む。さらにオールジャパンでの医療等データ利活用基盤構築・ICT利活用推進に関する施策として、匿名加工情報の医療分野の研究開発への利活用の推進など、次世代医療基盤法の円滑運用を進める。さらに複数データベース間の連携・解析を行うシステム構築にも取り組むとした。
市町村国保等におけるデータベースの推進については、引き続き有識者による支援、取組事例の横展開を行うほか、より質の高いデータヘルス計画が策定されるよう、データヘルス計画の分析により、評価指標や保健事業の標準化について検討し、健保組合へのフィードバックを行うとした。