メトホルミン含有剤の禁忌はeGFR30未満に 厚労省・安全対策調査会
公開日時 2019/06/04 03:50
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は5月31日、2型糖尿病治療薬のメトホルミン含有製剤について、eGFR(推算糸球体濾過量)30未満の重度の腎機能障害患者のみを禁忌とするよう添付文書を改訂することを決めた。また抗コリン薬については、禁忌とされている緑内障の記載を閉塞隅角緑内障に改訂することなども決まった。いずれも近く添付文書改訂の通知が発出される。
メトホルミン含有製剤については、乳酸アシドーシスの副作用を起こすことがあり、注意喚起されていた。対象となるのは、▽大日本住友製薬のメトグルコ錠、▽日本新薬のグリコラン錠―など。国内ではこれまで、腎機能の程度に応じて使用が制限されていたが、海外の添付文書が改訂されたことを踏まえて見直す。これにより、腎機能の程度を示すeGFR(推算糸球体濾過量)30未満の患者が禁忌となる。あわせて、腎機能障害患者に対する1日最高用量については、eGFRに基づいた目安が記載されることになった。
抗コリン薬については現在、緑内障の患者が禁忌となっているが、抗コリン作用による安全性の懸念があるのは、緑内障のなかの閉塞隅角緑内障のみと考えられるため。開放隅角緑内障の患者については慎重投与となる。また、狭隅角緑内障は閉塞隅角緑内障と混在して使用されていたが、ガイドラインに基づき、閉塞隅角緑内障に統一される。
◎ロキソニン外用剤を第1類に移行、排卵日検査薬は第1類に留まる
同日の調査会ではこのほか、一般用医薬品のリスク区分や要指導医薬品のリスク評価の見直しも行われた。外用鎮痛剤のロキソプロフェンナトリウムについては、要指導医薬品から第1類OTC医薬品に移行することを了承した。また、口をすすぐことで虫歯を予防する剤形のフッ化ナトリウムは、第1類から第3類に移行する。一方、排卵日予測の補助を目的とする「一般用黄体形成ホルモンキット」は第1類に留めた。避妊目的として使うこともできるため、薬剤師による情報提供を通じ、安易な使い方を避ける。