「MASTER KEY」に北大と九大が参加 希少がん研究の拠点構築に新たな一歩
公開日時 2019/04/23 03:51
国立がん研究センターは4月22日、希少がんをめぐる研究開発やゲノム医療を推進する産学共同プロジェクト「MASTER KEYプロジェクト」に、北海道大学病院と九州大学病院が研究拠点として加わったと発表した。患者を対象としたレジストリ研究への登録もすでに開始。今後は、6月頃を目途に医師主導治験・企業治験の参加を目指し、準備を進めていく。国がん中央病院の鋤柄多美恵・臨床研究支援室長は、「レジストリ研究の登録が加速される」と期待を寄せている。
MASTER KEYはこれまでに製薬企業12社と、国がん中央病院、京都大学医学部附属病院が参加。今回2施設が加わることで、医療機関の参加は計4施設になるが、全国展開には時間がかかる見通しだ。国がんでは、研究として一定の精度を担保する必要があるためと説明している。
希少がんは、5大がんと比べ患者が少ないため、診療体制の整備や治療法の開発などで遅れがある。MASTER KEYはこうした課題に、国がんと製薬企業が共同で取り組む産学共同プロジェクトで、希少がんの患者の診療情報や遺伝子異常の情報などを含む網羅的なデータベースを構築中。希少がんの遺伝学的背景や病理学的背景を明らかにすることで、新規治療の開発とゲノム医療の推進を目指している。