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中外 がんのウイルス療法「テロメライシン」の国内権利など取得 オンコリス社から

公開日時 2019/04/09 03:50

中外製薬とオンコリスバイオファーマは4月8日、オンコリスが開発中のがんに対するウイルス療法であるテロメライシン(開発コード:OBP-301)について、日本と台湾の開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンスを中外に付与することなどの契約を締結したと発表した。この契約には、日本、台湾、中国、香港、マカオを除く全世界の開発・製造・販売の独占的オプション権を中外に付与することも含まれる。この契約により、中外はオンコリスに500億円以上支払う可能性があり、上市後は売上に応じた販売ロイヤルティも支払う。

テロメライシンは、がん細胞で特異的に増殖し、がん細胞を破壊することができるように遺伝子改変した5型アデノウイルス。がん細胞で特異的に増殖することでがん細胞を溶解させる強い抗腫瘍活性を示し、正常な細胞の中では増殖能力が低いため、臨床的な安全性を保つことが期待されているという。

国内で実施された食道がん患者を対象とした放射線併用の臨床研究では、投与13例中8例で投与局所のがんが完全寛解したとのデータも得られている。

また、近年の研究では、ウイルス療法によって破壊されたがん細胞は、その特異的な抗原のシグナルを樹状細胞などの免疫細胞に直接伝えることにより、がん免疫を誘導できることが示唆されており、抗PD-1抗体などの免疫チェックポイント阻害薬との併用により全身的な抗がん作用も期待されるとしている。

オンコリスの浦田泰生社長は、「テロメライシンというがんのウイルス療法を開発していく上で最善のパートナーリングができた。テロメライシンは日本オリジナルの腫瘍溶解ウイルスであり、我々の食道がんに対する臨床効果を中外製薬から高く評価いただけたことを大変嬉しく思う」とコメント。中外の小坂達朗社長は、「がん患者さんへの新たな価値提供が期待される」とした上で、「がん免疫療法などとの併用も視野に入れ、患者さんやご家族が真の価値を享受できるがん腫への適応拡大を図るなど、創出価値を最大化していく」とコメントした。

■中外 オンコリス株式の3%超保有へ

両社はこの日、オンコリスが新たに約8億円相当の普通株式を発行し、中外がその全てを引き受けることでも合意したと発表した。4月24日に実施する。これにより中外はオンコリス株式の3.31%を保有することになる。なお、筆頭株主はアステラス製薬で5.27%を保有する。

オンコリスは調達する資金をテロメライシンの臨床試験の推進に充てる。中外の小坂社長は、「オンコリスの株主の一員として、中長期的に同社の企業価値、株主価値の向上にも貢献できるものと信じている」とコメントした。

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