アステラス製薬 骨粗鬆症治療薬イベニティ皮下注を発売 抗体医薬
公開日時 2019/03/05 03:50
アステラス製薬は3月4日、骨粗鬆症の治療に用いる抗体医薬イベニティ皮下注105mgシリンジ(一般名:ロモソズマブ(遺伝子組換え))を発売した。骨細胞から分泌され、骨形成の抑制などに関与する糖タンパク質スクレロスチンと結合してその作用を阻害し、骨形成を促すとともに骨吸収を抑える新たな作用を持つ。効能・効果は「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」。同剤は欧米でも開発されているが、日本が最初の発売となった。
同剤は210mgを月1回、12か月皮下投与。薬価算定にあたって「国内で使用される骨形成促進薬よりも半分程度の投与期間で骨折抑制効果が認められていること」などを理由に、有用性加算(II)(A=5%)が適用された。
日本ではアステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラスが共同開発し、両社でプロモーションを行う。ユーシービージャパンは、親会社であるユーシービー社とアムジェン社の両社の契約に基づき、プロモーションには関与しない形で骨粗鬆症の疾患啓発、治療率向上を支援する活動を行うとしている。薬価は1シリンジ2万4720円。
同剤の保険診療上の扱いについて厚労省保険局は2月25日付の医療課長通知で留意事項を示した。その中では▽低骨密度、既存骨折、加齢、大腿骨頸部骨折の家族歴等の骨折の危険因子を有する患者を対象とする▽骨折抑制効果は12か月を超えた投与では検討されていないことから、本剤投与終了後に原則として適切な骨粗鬆症薬による治療を継続する▽12か月投与後の再投与の場合、診療報酬明細書の摘要欄に「骨折の危険性が高いと判断した理由」「本製剤を再投与するまでに投与した骨粗鬆症治療薬の品名」を記載する――とし、対応を求めている。