EMAとHMAが報告書 ビッグデータの定義まとめる
公開日時 2019/03/05 03:50
欧州医薬品庁(EMA)と欧州医薬品担当機関幹部会(HMA)は2月15日、医薬品にかかわるビッグデータの定義などをまとめた報告書「HMA‐EMAビッグデータ共同作業班概要報告」(HMA-EMA Joint Big Data Taskforce :Summary Report)を発表した。
ビッグデータは、「複雑、多次元、非構造的かつ異種で極度に大規模なデータセット」と定義づけた。そのうえで、「急速に蓄積し、そのパターンや傾向、関連性を示す目的で電算機によって分析可能なものである。一般的に、ビッグデータセットは、信頼できる制約の中で解答を得る目的では先進的かつ特殊な方法を必要とする」とした。
規制決定上のデータとして、分類を設けることを推奨した。▽ゲノミクスデータ、▽プロテオミクスなど生命分子解析データ、▽臨床試験データ、▽観察データ、▽自発的副作用データ、▽ソーシャルメディアおよびモバイルヘルスデーター。
医薬品をめぐるビッグデータは、ウエアラブル端末や電子カルテ、さらには臨床検査、副作用報告など様々なものがある。定義も不明確で、質の担保や分析方法などにコンセンサスがない状況だった。EMAとHMAは、2018年初め、EMAの代表とHMA加盟14か国からの代表による共同作業班を立ち上げ、約1年にわたり、その定義や起源などについて検討してきた。
報告書では、ビッグデータに関わる課題として、まず「何が必要か」に焦点を当てた。データの種類や、いつ、どのように処理し、質を担保するかは今後検討を進める考え。
EMAとHMAは、今回の報告書について、4月19日を締め切りとして意見募集を開始した。なお、HMAは、EEA(欧州経済地域)内にあるEU加盟国以外の14か国の保健衛生担当機関の幹部で構成するネットワーク。