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厚科審 風疹重点世代のワクチン接種原則無料に MSD社ワクチン試薬の有効期間超えの報告も

公開日時 2018/12/14 03:50

厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会と感染症部会の合同部会は12月13日、新たな風疹対策として「39~56歳の男性」を対象に、抗体検査とワクチン接種を原則無料とすることを決めた。現在約80%に留まる同世代の抗体保有率を、2020年7月までに85%、20年度末までに90%以上に引き上げることを目指す。このほか予防接種基本方針部会では、高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種で使うMSDのニューモバックスについて、有効期間を超えた試薬を用いて規格試験を行っていた問題が報告された。

対象になるのは、1962年4月2日~79年4月1日までの間に生まれた、現在39~56歳の男性約1610万人。定期接種の機会がなかったため、抗体保有率が他の世代より低く、患者数の拡大の一因となっていると指摘されていた。

期間は、2019年から21年度末までの約3年間で、まずは抗体検査を受けてもらい、陰性だった人に接種する。回数は1回で、基本的にMRワクチンを用いる。検査の試験方法は、現在主に実施されている HI法、EIA法のほか、「これらの方法と結果の読み替えについて十分に調査されていると認められる方法」も差し支えないとした。環境面では、働く人が多い同世代に配慮し、企業の定期健診などの機会を活用した抗体検査や、夜間・休日に検査や予防接種を実施できる体制を整備する。

委員からは、追加対策を歓迎する声が相次いだ一方、都道府県などが混乱しないようなスケジュールやガイドラインの設定のほか、対象とならない世代に向けた啓発を求める指摘もあった。

◎厚労省 遺伝子検査で通知 一部事例で検査実施せずも可に

厚労省は同日、全例を対象に行っていた遺伝子検査について、一部の事例で検査を実施しなくてよいとする通知を都道府県などに対し、健康局結核感染症課長名で発出した。届け出数の増加に伴った対応。「検査を実施しなくてよい」のは、▽職場や家庭内など、感染経路が同集団内である可能性が高いことが判明した場合、▽発しんが出てから1週間を超えた患者について、医療機関が検体を採取せずに保健所に届け出た場合—の2つのケース。ただ、いずれの場合でも、妊婦との接触が確認された症例や潜伏期間内に海外への渡航歴がある場合については、検査を行うことが望ましいとした。

◎MSDの肺炎球菌ワクチン 試薬の有効期間超え発覚

同日開催された予防接種基本方針部会では、高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種で使うMSDのニューモバックスについて、有効期間を超えた試薬を用いて規格試験を行っていた問題が報告された。厚労省によると試薬は、ワクチンの有効成分濃度を測定する際に比較対象として用いられており、有効性・安全性に直接影響を及ぼすものではないという。問題の試薬は、2018年2月以降の規格試験で用いられていた。厚労省では、同日から立ち入り調査を行い、類似事例がないかを確認している。またMSD社に対しては、すでに出荷されたワクチンの品質についての再検証を求めたという。
 

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