エムスリーグループ 心膜シート「ペリビーム」の国内承認取得、理研シーズを製品化
公開日時 2018/11/29 03:50
エムスリーは11月28日、連結子会社の多磨バイオが心膜シート「ペリビーム」の国内製造販売承認を取得したと発表した。医療機器の分類はクラスIVとなる。ペリビームは理化学研究所(理研)が開発した高分子樹脂を特殊加工する技術を製品化したもの。生体適合性が高く他臓器との癒着の危険性が少なく、再手術の際の剥離に要する時間も短くなるなど有害事象の軽減が期待されるとしている。
臨床現場では、自己組織との癒着や経年使用による心膜シートの石灰化など様々な有害事象が課題になっている。ペリビームはこれらの課題を克服するため、心臓外科専門医からのフィードバックを得て考案された。
多磨バイオは、理研の高分子樹脂の特殊加工技術を用い、数々の治療用医療機器の開発に取り組んでいる。17年9月には人工硬膜「デュラビーム」の承認(クラスIV)を取得した。多磨バイオは人工硬膜、心膜シートに続く人工臓器の開発を目指すほか、海外展開も視野に入れている。
エムスリーは多磨バイオに対して、事業化構想段階から共同創業者、創業インベスターとして必要資金を提供するとともに、経営陣の派遣、薬事・医師・科学・素材技術アドバイザーによる助言や業務体制の構築など経営サポートを行っている。エムスリーは子会社エムスリーアイを通じて、有望なスタートアップ企業や技術に投資するなどして事業化を推進する「シーズロケット事業」を展開している。